Cherry Blossoms〜いのちのかたち〜
「雪だるまですか!いいですね〜」

桜士が雪だるまを見て言うと、一花が「よければ一緒に作りませんか?」と誘う。その言葉に桜士は嬉しさから浮き足立ちそうになったものの、挨拶を交わしてくれていない伊一に訊ねる。

「伊一くん、仲間に入れてもらってもいいですか?」

「あ〜……。好きにすればいいんじゃね?」

ガシガシと乱暴に頭をかきながら伊一は返す。その言葉に桜士はホッとし、一花は「珍しく素直ね〜。いい子!」と言いながら伊一の頭を撫でる。伊一は「やめろよ」と返しながらも、どこか嬉しそうだ。

(雪は、人を素直にさせる魔法でもあるのか?)

そんなファンタジーなことを思いながら、桜士は一花たちと共に雪だるまを作り、雪合戦をして遊ぶのだった。








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