Cherry Blossoms〜いのちのかたち〜

（四月一日先生、可愛いな……）

歌詞が流れている画面に桜士は一度も目を向けず、一花の方を見ていた。一花は驚いていたものの、すぐにマイクなしで歌を口ずさむ。クラウディオたちも同じように歌い始めた。

「本田先生、英語で歌えるなんて知りませんでした！すごいですね！」

曲が終わると、桜士に一花が話しかけてくる。その目は星のように煌めいており、一花の後ろでヨハンが悔しそうな顔をしていた。どこか優越感に浸りながら、桜士は口を開く。

「学生の頃、少し留学していた時期があるだけですよ。英語は皆さんの方がずっと上手かと……」

「俺とアルオチ、ヨハンとオリバーに至っては母国語だしな」

アルフレッドがそう言い、部屋は一気に盛り上がっていく。リティクが注文した料理も次々と届き、モニカが「おっ、来た来た」と笑った。

「おい、本田！俺だってお前に負けないんだからな！」

ヨハンはそう言い、二曲目を入力する。すぐにイントロが流れ出した。最近日本で話題のロックバンドの曲だ。