Cherry Blossoms〜いのちのかたち〜
「〜♪」

ヨハンはノリノリでマイクを手に歌う。ロックなのでクラウディオたちも盛り上がり、オリバーとリティクは手拍子だけでなくヘッドバンキングもしていたほどだ。

「ヨハン、ロックなんて聴くんだ」

「難易度の高い日本語の歌を歌って、一花に褒められたいんでしょ」

驚いた様子のナタリアに対し、アルオチが楽しみつつも呆れた様子で言う。数分後、曲が終わったヨハンはグイッと一気にコーラを飲み干す。拍手が鳴り響く中、一花がヨハンに声をかけた。

「ヨハン!こんなに難しそうな歌、歌えるなんてすごいわ!」

「いや〜、ただ好きなだけだよ」

ヨハンは勝ち誇った顔を桜士に向けてくる。それに桜士が内心イラッとしていると、アルオチが「ほらね」とナタリアに言っていた。

それからは、交代でマイクを回しながら色んな曲を歌った。

一花が可愛いダンス付きでボカロを歌ったり、モニカとナタリアがアニソンメドレーを歌ったり、リティクが演歌を歌ったり、アルフレッドとオリバーが大ヒットドラマの主題歌を歌ったり、クラウディオがアイドルの曲を歌ったり、誰かが歌うたびに部屋は盛り上がる。
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