☆君が僕を…☆
仁の自分勝手には呆れてしまう。


それにしても、さっきから俺たちを遠くから見ている視線を感じた。


ゆっくりと、視線を動かすと、

『…真理ちゃん?』


目が合った。


しかも、睨んでないか?


『仁君には言わないで!!』


昨日の真理ちゃんの言葉が、頭の中に遮った。


仁の会話、疑ってる?


俺は真理ちゃんに向かって、思い切り手を横に振った。


全くだ!


何だか、監視されてるみたいで嫌になる。


まっ〜!


俺は仁になんか言わないし。


真理ちゃんの友達には、悪いけど、今の仁の頭の中は首を傾げるほど?どっかいってるし。


とにかく!


毎年、思うんだけど…。


バレンタイン直前になると、女の子達は水面下でなにやら?調査が始まる。


モテない俺はいつも橋渡し役。

仁に関する情報とやらを、毎年聞いてくる子がいる。


モテる奴はバレンタイン当日に悩んでいる。


俺は、反対の立場だ。


真理ちゃんは、納得したのか?教室に戻って行った。



ったく!それどころではないんだけど〜。


シャーペン、どうしょう…。
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