眠り姫と生贄と命の天秤
わたしと、体をつなげて
「ばか! 何でそんなこと言うの! 一緒じゃなきゃ意味がない。諦めないで。今はあのときみたいに死ぬことが決まってるわけじゃない、まだ抗える。だって、もう絶対離さないって言ったでしょう?」
言葉が、リコ自身の胸に突き刺さる。キトエへ叫んでいるのに、絶望を許しそうな自分を叱っている。
綺麗事だ。打破できなければもう逃げられない。何でもいい、何か欠片でも。
キトエが、仕方がなさそうに微笑んだ。腕を引かれて、背を抱き寄せられて、唇に唇が触れた。驚きとともに、焼き切れそうだった頭の中が冷えていく。
「シムリルカ」
キトエと唇を合わせたまま、唱えた。唇を通じて、キトエの口の中へ魔力を送った。
思い当たったことがある。夕刻、キトエと本の話をした。リコは魔女でなくなるために、ずっと魔女の本や魔術書を読んでいた。うそか本当か、迷信か真実か。
唇を離してキトエを見つめると、驚いたように目をひらかれていて、立場が逆になってしまったなと思った。
「変わらない? 少し楽になったりしてない?」
キトエは探るように視線を横に流す。
「すまない、よく分からない」
言葉が、リコ自身の胸に突き刺さる。キトエへ叫んでいるのに、絶望を許しそうな自分を叱っている。
綺麗事だ。打破できなければもう逃げられない。何でもいい、何か欠片でも。
キトエが、仕方がなさそうに微笑んだ。腕を引かれて、背を抱き寄せられて、唇に唇が触れた。驚きとともに、焼き切れそうだった頭の中が冷えていく。
「シムリルカ」
キトエと唇を合わせたまま、唱えた。唇を通じて、キトエの口の中へ魔力を送った。
思い当たったことがある。夕刻、キトエと本の話をした。リコは魔女でなくなるために、ずっと魔女の本や魔術書を読んでいた。うそか本当か、迷信か真実か。
唇を離してキトエを見つめると、驚いたように目をひらかれていて、立場が逆になってしまったなと思った。
「変わらない? 少し楽になったりしてない?」
キトエは探るように視線を横に流す。
「すまない、よく分からない」