眠り姫と生贄と命の天秤
*そんな苦しそうな声で呼ばないでほしい
尋ねたくせに、返事をする前にキトエは指を奥へ入れた。声があふれる。抑えられない。痛みはなくて、体の中が絞られているような、浮き上がるような不思議な気持ちよさだった。
「ばか、きいてもいみないこと、きかないで」
やっとのことで言葉を差しこむ。
「ごめん。リコが、可愛いから」
キトエの声は柔らかくて、いたずらのように中の指を動かされた。
「ばか、キトエの、へんたいっ……」
「そうだよ。だから俺はリコが思ってるみたいに綺麗じゃないって、吐き気がするくらい気持ち悪い人間だって、言っただろ」
声が本当に耳の近くにかかった。キトエの息がリコと同じように速くなっていることに気付いて、もうこれ以上熱くならないと思っていた体と頬に、熱が重なった。
中の指を動かされる。もう考えることができなくなる。
「リコ、可愛い。リコ、リコ」
耳元から、半身、指先までがぴりぴりする。そんな苦しそうな声で呼ばないでほしい。与えられる快感と、キトエの感情と、やらなければいけないことが混ざり合って、おかしくなる。
「いい?」
「ばか、きいてもいみないこと、きかないで」
やっとのことで言葉を差しこむ。
「ごめん。リコが、可愛いから」
キトエの声は柔らかくて、いたずらのように中の指を動かされた。
「ばか、キトエの、へんたいっ……」
「そうだよ。だから俺はリコが思ってるみたいに綺麗じゃないって、吐き気がするくらい気持ち悪い人間だって、言っただろ」
声が本当に耳の近くにかかった。キトエの息がリコと同じように速くなっていることに気付いて、もうこれ以上熱くならないと思っていた体と頬に、熱が重なった。
中の指を動かされる。もう考えることができなくなる。
「リコ、可愛い。リコ、リコ」
耳元から、半身、指先までがぴりぴりする。そんな苦しそうな声で呼ばないでほしい。与えられる快感と、キトエの感情と、やらなければいけないことが混ざり合って、おかしくなる。
「いい?」