Will you marry me?  〜エリート建築士は策士な旦那様でした〜

「ありがとう。菜々」

にっこりと笑った彼に、私はヒヤッと少し嫌な予感がする。

「嫌ですよ」

「まだ何も言ってない」

「無理です!」

そう言って後ずさりをしていた私だったが、あっさりと抱き上げられてしまう。

「謙太郎さん……!!」

「頼む、菜々。俺のリラックスは風呂と菜々だって知ってるだろ。一緒に。な」

最後は懇願するような瞳を向けられて、私はウっと言葉に詰まる。

「仕事が忙しい。疲れたな」

わざとらしく言う彼だったが、こんな彼にも私はすっかりやられているかもしれない。
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