Will you marry me?  〜エリート建築士は策士な旦那様でした〜
will you marry me? アイビー
「菜々、本当に無理をするなよ?」

朝、起きてきていつも通り食事を作る私をそっと抱きしめながら、謙太郎さんそう呟く。

「大丈夫です。つわりも今日はないんです」

そう、あれから二か月たち、謙太郎さんの美術館の仕事が落ち着いたころ、体調があまりよくなかった私は無理やり向井家の懇意の病院に連れて行かれた。

『おめでとうございます。もうすぐ三ヵ月ですね』

先生のその言葉に、私はどうしようと真っ青になったが、隣の謙太郎さんは私を抱きしめて、「嬉しい」そう言ってくれた。

その言葉だけで、愛されてなくても私は彼と家族になれる。そう思って新しく宿った命を大切にしようと心に決めた。
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