神様、僕に妹を下さい
Act.107 サイド皇紀(こうき)
水色のワンピースに着替えに行ったっきり、晶はなかなか戻って来なかった
廊下に出ると、玄関で晶が母さんに一方的に小言をいわれているのが聞こえた
内容は聞き取れないが、だいたい何を言われているのかわかる
オレのせいだ
近付かないって決めたのに、抑えが効かなくなって、晶を惑わせてしまった
一瞬だけでも、オレの方を選んでくれただけでもう十分
あいつに家族は捨てられない
『私、将来お父さんとお母さんの様な家庭を作りたいな。見ていて恥ずかしくなるくらいラブラブな夫婦。子供も、皇兄と私みたいに男の子と女の子』
幸せそうにそう話していた晶の顔が浮かぶ
優しいからな、あいつ
オレと母さんの間に挟まれて困っているのがわかる
どちらも傷つけないようにしようと必死に考えてる
晶と母さんの会話が途絶え、階段を駆け上がってくる音が聞こえた
スカートの裾を持ち上げ、走ってくる。そして、裾を踏んで転びそうになった
「きゃっ」
「危ない」
間一髪で晶の身体を拾い上げた
「気をつけろ、ここから落ちたら、痣だけじゃすまない」
晶の身体を床に下ろし、痣のついた額を撫でる
「うん。ありがとう皇兄。それでね・・その・・」
晶はオレにどう話を切り出そうか戸惑っている様子
「行って来いよ。母さん怒ってるんだろ」
「ごめん・・なさい」
晶はうつむき、目を伏せた
「いいよ、謝らなくても。さっきのお前の言葉だけで、オレすごく嬉しかったから、もう十分」
もう、オレのせいで悲しい顔をさせたくない
「皇兄。私、絶対19時までに帰って夕飯作るから、一緒に食べよう。約束」
そう言って、強引に指切りをさせられた
ごめんな晶。オレ、その約束守れない
守っちゃいけない
オレはお前のためだったら、何を捨てても構わない。たとえ家族でも・・だ
けれど、お前に家族を捨てて、オレの元に来いとは言えない
時計は18:30になろうとしていた
晶との夕飯の約束まであと、30分
オレはガスレンジの火を止める
鍋には晶の好きなポテトグラタンを作った
メモ用紙に
『急用が出来て出かける事になった』と書くと、晶の座るテーブルの上に置いた
廊下に出ると、玄関で晶が母さんに一方的に小言をいわれているのが聞こえた
内容は聞き取れないが、だいたい何を言われているのかわかる
オレのせいだ
近付かないって決めたのに、抑えが効かなくなって、晶を惑わせてしまった
一瞬だけでも、オレの方を選んでくれただけでもう十分
あいつに家族は捨てられない
『私、将来お父さんとお母さんの様な家庭を作りたいな。見ていて恥ずかしくなるくらいラブラブな夫婦。子供も、皇兄と私みたいに男の子と女の子』
幸せそうにそう話していた晶の顔が浮かぶ
優しいからな、あいつ
オレと母さんの間に挟まれて困っているのがわかる
どちらも傷つけないようにしようと必死に考えてる
晶と母さんの会話が途絶え、階段を駆け上がってくる音が聞こえた
スカートの裾を持ち上げ、走ってくる。そして、裾を踏んで転びそうになった
「きゃっ」
「危ない」
間一髪で晶の身体を拾い上げた
「気をつけろ、ここから落ちたら、痣だけじゃすまない」
晶の身体を床に下ろし、痣のついた額を撫でる
「うん。ありがとう皇兄。それでね・・その・・」
晶はオレにどう話を切り出そうか戸惑っている様子
「行って来いよ。母さん怒ってるんだろ」
「ごめん・・なさい」
晶はうつむき、目を伏せた
「いいよ、謝らなくても。さっきのお前の言葉だけで、オレすごく嬉しかったから、もう十分」
もう、オレのせいで悲しい顔をさせたくない
「皇兄。私、絶対19時までに帰って夕飯作るから、一緒に食べよう。約束」
そう言って、強引に指切りをさせられた
ごめんな晶。オレ、その約束守れない
守っちゃいけない
オレはお前のためだったら、何を捨てても構わない。たとえ家族でも・・だ
けれど、お前に家族を捨てて、オレの元に来いとは言えない
時計は18:30になろうとしていた
晶との夕飯の約束まであと、30分
オレはガスレンジの火を止める
鍋には晶の好きなポテトグラタンを作った
メモ用紙に
『急用が出来て出かける事になった』と書くと、晶の座るテーブルの上に置いた