神様、僕に妹を下さい
Act.109 サイド皇紀(こうき)
「あいつ、いっつもオレの後ろについて来て、大きな瞳で真っ直ぐオレの事を見るんだ。オレ、その瞳が苦手でさ『そんな目で見るな』って怒鳴ったら、どうしたと思う?」
晶の瞳はまるで何かを見透かすような輝きをもっていた
黒く・・丸い、漆黒の瞳
「毛糸の帽子を目元ギリギリまでかぶると、オレの服の裾を掴んで、後ろ向きで歩いてついて来るんだぜ。まいったよ。気が付いたらあいつの行動に目が離せなかった」
あの時から、オレは晶の瞳に捕らえられたままだ
「それが恋だと気付くのに、1年近くかかったな・・」
「時間、かかりすぎじゃん。皇紀って、好きって気持ち、先に頭で考えるタイプ?」
「さぁ・・どうだろう?普通の恋をしたことがない。好きという感情と同時に罪の意識が生まれたから」
血が繋がった妹が好きだという罪
「罪の意識?」
五十嵐はオレの言葉に耳を傾けた
「丁度、お前とつるみ始めた頃だな。恋だと認めたくなくて、手当たり次第女と関係を持ってみた」
まったく、ガキだったな
そんな事したって、一時凌ぎでしかなかったのに
「けれど、あいつの存在はオレの中でどんどん膨れ上がって行った」
『皇兄、あのね』
『私ね、皇兄』
オレの気持ちも知らないで、あいつは無邪気にオレの名前を呼ぶ
『皇兄』と呼ばれる度に、兄だという現実を突きつけられる
あいつが望むなら、常に傍にいて守り続けよう
優しい兄を演じ続けよう
「こ・皇紀!」
五十嵐の驚いた声に、自分の両目から涙が滴っている事に気付いた
「あぁ、お前にはみっともない所ばかり見られるな」
片手で、涙を拭くと五十嵐に笑ってみせる
「オレ、あいつの笑顔が好きでさ、この笑顔を見ていられるならこのままでも構わないって」
兄と妹
それでもいいじゃないか。一緒の家に居られて、一番近い存在で
兄だからこそあいつに触れることも出来る
「あいつに男の存在が現れるまでは、自分の中にこんな醜い嫉妬心があるとは思わなかった」
晶の瞳が、笑顔が他の男に向けられる
オレ以外の男が白い肌に触れる
「気付いたら、泣かせていた。あいつの嫌がる顔にも欲情を感じるオレがいて止められなかった」
晶は気付いているのだろうか?
お前に触れるたびに、空想の中で抱いていることを・・
「皇紀、お前・・」
やば・・涙が止まらない
こらえ様とすればするほど、涙があふれ出て止まらなかった
晶の瞳はまるで何かを見透かすような輝きをもっていた
黒く・・丸い、漆黒の瞳
「毛糸の帽子を目元ギリギリまでかぶると、オレの服の裾を掴んで、後ろ向きで歩いてついて来るんだぜ。まいったよ。気が付いたらあいつの行動に目が離せなかった」
あの時から、オレは晶の瞳に捕らえられたままだ
「それが恋だと気付くのに、1年近くかかったな・・」
「時間、かかりすぎじゃん。皇紀って、好きって気持ち、先に頭で考えるタイプ?」
「さぁ・・どうだろう?普通の恋をしたことがない。好きという感情と同時に罪の意識が生まれたから」
血が繋がった妹が好きだという罪
「罪の意識?」
五十嵐はオレの言葉に耳を傾けた
「丁度、お前とつるみ始めた頃だな。恋だと認めたくなくて、手当たり次第女と関係を持ってみた」
まったく、ガキだったな
そんな事したって、一時凌ぎでしかなかったのに
「けれど、あいつの存在はオレの中でどんどん膨れ上がって行った」
『皇兄、あのね』
『私ね、皇兄』
オレの気持ちも知らないで、あいつは無邪気にオレの名前を呼ぶ
『皇兄』と呼ばれる度に、兄だという現実を突きつけられる
あいつが望むなら、常に傍にいて守り続けよう
優しい兄を演じ続けよう
「こ・皇紀!」
五十嵐の驚いた声に、自分の両目から涙が滴っている事に気付いた
「あぁ、お前にはみっともない所ばかり見られるな」
片手で、涙を拭くと五十嵐に笑ってみせる
「オレ、あいつの笑顔が好きでさ、この笑顔を見ていられるならこのままでも構わないって」
兄と妹
それでもいいじゃないか。一緒の家に居られて、一番近い存在で
兄だからこそあいつに触れることも出来る
「あいつに男の存在が現れるまでは、自分の中にこんな醜い嫉妬心があるとは思わなかった」
晶の瞳が、笑顔が他の男に向けられる
オレ以外の男が白い肌に触れる
「気付いたら、泣かせていた。あいつの嫌がる顔にも欲情を感じるオレがいて止められなかった」
晶は気付いているのだろうか?
お前に触れるたびに、空想の中で抱いていることを・・
「皇紀、お前・・」
やば・・涙が止まらない
こらえ様とすればするほど、涙があふれ出て止まらなかった