神様、僕に妹を下さい
Act.116 サイド晶(あきら)
演奏会も終わり、時刻は17:30を過ぎている
今からバスに乗って・・歩いて・・と、約束の時間までに家に着く事を確認した
「先輩、今日はありがとうございました。私帰りますね」
狩野先輩に挨拶をし、会場ホールを立ち去る私をお母さんが呼び止めた
「晶ちゃん、何処行くの?」
「え・・何処って、家に帰るんだけど」
予定の昼食も演奏会も終了したし、後は帰るだけ
「この後、響さんのお母さんと夕食も一緒にする事になったの。あなたも来なさい」
「えっ!」
私はお母さんの手首を掴み、ホールの女子トイレに連れ込んだ
さすがにあの人だかりの場、まして狩野先輩の前で言い合いは出来ない
「もう、勝手に決めないでよ。今日のお出かけだって聞いたのは朝だし、演奏会までって言ったじゃない」
「この後、何か予定でもあるの?」
興奮気味の私に対して、お母さんはいたって冷静
「皇兄と一緒に夕飯を食べる約束をしてるから」
私の返答にお母さんは深々と溜息をついた
「嫁入り前の娘じゃあるまいし、皇ちゃんとの夕飯が最後と言うわけでもないでしょう」
「そうだけど・・」
でも、最近すれ違いが多くて、まともに会話もしてないし、知らない所で迷惑ばかりかけてるし・・
「晶ちゃんがそうだから、皇ちゃんに彼女が出来ないの」
「彼女がいないのが、何で私のせいになるの!?」
突然、変な濡れ衣を着せられ、目を白黒させた
確かに中学の頃の皇兄には、彼女らしき人がいたみたい
でも高校に入ってからは、あの『沢村双葉』の噂ぐらいなもの
硬派だという人もいるし、昔の彼女が忘れられないという説もあるらしいけど、私のせいで彼女が出来ないと言うのは違うと思う
「晶ちゃんが危なっかしくて、無視出来ないからでしょう。だから晶ちゃんを任せられる男性が現れたら、皇ちゃんだって安心して彼女を作る事が出来るわ」
あくまで、彼女を作らないのは私のせいにしたい様だ
もう、こうなったら
ポーチからハンカチを取り出し、手洗いの水を出した
「晶ちゃん・・?」
「化粧を落として、素顔を狩野先輩のお母さんに見てもらおうと思って」
両手で水をすくい顔にかける瞬間
「あんたって子は・・負けたわ・・」
溜息まじりのお母さんの声が私の背後から聞こえてきた
今からバスに乗って・・歩いて・・と、約束の時間までに家に着く事を確認した
「先輩、今日はありがとうございました。私帰りますね」
狩野先輩に挨拶をし、会場ホールを立ち去る私をお母さんが呼び止めた
「晶ちゃん、何処行くの?」
「え・・何処って、家に帰るんだけど」
予定の昼食も演奏会も終了したし、後は帰るだけ
「この後、響さんのお母さんと夕食も一緒にする事になったの。あなたも来なさい」
「えっ!」
私はお母さんの手首を掴み、ホールの女子トイレに連れ込んだ
さすがにあの人だかりの場、まして狩野先輩の前で言い合いは出来ない
「もう、勝手に決めないでよ。今日のお出かけだって聞いたのは朝だし、演奏会までって言ったじゃない」
「この後、何か予定でもあるの?」
興奮気味の私に対して、お母さんはいたって冷静
「皇兄と一緒に夕飯を食べる約束をしてるから」
私の返答にお母さんは深々と溜息をついた
「嫁入り前の娘じゃあるまいし、皇ちゃんとの夕飯が最後と言うわけでもないでしょう」
「そうだけど・・」
でも、最近すれ違いが多くて、まともに会話もしてないし、知らない所で迷惑ばかりかけてるし・・
「晶ちゃんがそうだから、皇ちゃんに彼女が出来ないの」
「彼女がいないのが、何で私のせいになるの!?」
突然、変な濡れ衣を着せられ、目を白黒させた
確かに中学の頃の皇兄には、彼女らしき人がいたみたい
でも高校に入ってからは、あの『沢村双葉』の噂ぐらいなもの
硬派だという人もいるし、昔の彼女が忘れられないという説もあるらしいけど、私のせいで彼女が出来ないと言うのは違うと思う
「晶ちゃんが危なっかしくて、無視出来ないからでしょう。だから晶ちゃんを任せられる男性が現れたら、皇ちゃんだって安心して彼女を作る事が出来るわ」
あくまで、彼女を作らないのは私のせいにしたい様だ
もう、こうなったら
ポーチからハンカチを取り出し、手洗いの水を出した
「晶ちゃん・・?」
「化粧を落として、素顔を狩野先輩のお母さんに見てもらおうと思って」
両手で水をすくい顔にかける瞬間
「あんたって子は・・負けたわ・・」
溜息まじりのお母さんの声が私の背後から聞こえてきた