神様、僕に妹を下さい
Act.118 サイド晶(あきら)
「んー!」
今、自分の身に何が起こっているのか見当がつかなかった
公園に入って、皇兄に声をかけようとした途端、後ろから口を塞がれ、力強い腕で腰を抱えられ植え込みに引っ張りこまれた
これって、誘拐なの!?それとも・・痴漢!?
声さえ出せれば、皇兄に気付いてもらえるのに
「こう・・・くぅ」
口を塞いでいる手を避けようと両手を使うが、ビクともしない
皇兄の後ろ姿がどんどん視界から消えようとしている
皇兄・・お願い、後ろ見て! 私に気付いて!
そんな思いも届かず、私の身体は完全に大きな植栽の影に隠れてしまった
これでは声をあげない限り、皇兄には気付いてもらえない
口は塞がれたまま、地面に下ろされた。身体はしっかり固定されている
「んんっ!」
ゾクリ
痴漢の吐息が私の耳にふりかかって来た
あ・・。恐怖と弱点の耳を攻められると、全身に力が入らなくなる
ギュッと堅く目を閉じる。怖い・・怖いよ。皇兄
「もも」
私の耳元で痴漢はそう呟いた
も・も?それにこの声、どこかで・・
「声を出すんやないで・・」
口に当てられた手が緩められ、私の身体がくるりと方向転換された
「会いたかったで、もも」
この関西弁もどきの口調、私の事をなぜか『もも』と呼ぶこの人
「生徒・・会長さん?」
ホッとした瞬間、瞳に熱いものが込み上げてきた。痴漢とかじゃなくて良かったよ
「驚かしてしもて堪忍な。まさか、こんな所でももに会えるとは思ってなくて突然やったし、こうするしかなかったん・・ほへ・・今日はえろーカワイイカッコしてるやないか」
会長さんは私の全身を上から下まで撫でるように眺めた
「ホンマ、可愛いなぁ。あとでじっくり、明るい所でよう見せてや」
「いえ私、そんな時間はないので」
何か変な事で時間をとられてしまった。皇兄まだ公園にいるかな?
その場から離れようとすると『今、出たらだめや』と静止させられた
態勢を低くして歩く様に指示され、会長さんの後についてくるように言われ、皇兄の姿が見える場所まで移動した
「あの・・?」
「しぃ。黙って。今、うちの双葉とこーちゃんが2人っきりなんや」
「えっ!?」
角度を変えて見ると、皇兄の影に隠れて、沢村双葉の姿が現れた
片手に携帯と、なぜか皇兄のシャツを持っている沢村双葉が・・・
今、自分の身に何が起こっているのか見当がつかなかった
公園に入って、皇兄に声をかけようとした途端、後ろから口を塞がれ、力強い腕で腰を抱えられ植え込みに引っ張りこまれた
これって、誘拐なの!?それとも・・痴漢!?
声さえ出せれば、皇兄に気付いてもらえるのに
「こう・・・くぅ」
口を塞いでいる手を避けようと両手を使うが、ビクともしない
皇兄の後ろ姿がどんどん視界から消えようとしている
皇兄・・お願い、後ろ見て! 私に気付いて!
そんな思いも届かず、私の身体は完全に大きな植栽の影に隠れてしまった
これでは声をあげない限り、皇兄には気付いてもらえない
口は塞がれたまま、地面に下ろされた。身体はしっかり固定されている
「んんっ!」
ゾクリ
痴漢の吐息が私の耳にふりかかって来た
あ・・。恐怖と弱点の耳を攻められると、全身に力が入らなくなる
ギュッと堅く目を閉じる。怖い・・怖いよ。皇兄
「もも」
私の耳元で痴漢はそう呟いた
も・も?それにこの声、どこかで・・
「声を出すんやないで・・」
口に当てられた手が緩められ、私の身体がくるりと方向転換された
「会いたかったで、もも」
この関西弁もどきの口調、私の事をなぜか『もも』と呼ぶこの人
「生徒・・会長さん?」
ホッとした瞬間、瞳に熱いものが込み上げてきた。痴漢とかじゃなくて良かったよ
「驚かしてしもて堪忍な。まさか、こんな所でももに会えるとは思ってなくて突然やったし、こうするしかなかったん・・ほへ・・今日はえろーカワイイカッコしてるやないか」
会長さんは私の全身を上から下まで撫でるように眺めた
「ホンマ、可愛いなぁ。あとでじっくり、明るい所でよう見せてや」
「いえ私、そんな時間はないので」
何か変な事で時間をとられてしまった。皇兄まだ公園にいるかな?
その場から離れようとすると『今、出たらだめや』と静止させられた
態勢を低くして歩く様に指示され、会長さんの後についてくるように言われ、皇兄の姿が見える場所まで移動した
「あの・・?」
「しぃ。黙って。今、うちの双葉とこーちゃんが2人っきりなんや」
「えっ!?」
角度を変えて見ると、皇兄の影に隠れて、沢村双葉の姿が現れた
片手に携帯と、なぜか皇兄のシャツを持っている沢村双葉が・・・