神様、僕に妹を下さい
Act.120 サイド晶(あきら)
「あ・・」
声を漏らしそうになる自分の口を両手で押えた
画面から目を逸らせない自分がいた
皇兄のキスシーン
画面の皇兄は、相手の女性の唇に親指をあてて静かになぞると、彼女の顔を両手で抱え、上唇からそっと口付けている
「こーちゃん・・幸せそうやなぁ」
会長さんの言葉通り、皇兄の表情は本当に幸せそうだった
相手の彼女の事が本当に好きで、愛しむように優しく唇を押し付けている
皇兄のこの表情が、私が画面から目を外す事が出来なかった理由
「///」
その後のキスシーンは、ちょっと言葉では言い表せなくて、心臓からどんどん頭の上に血が上ってくるのを感じていた
「もも、熱でもあるんか?」
「いえ、その・・」
私の額に会長さんの掌がかざされた
熱が・・首すじと額に集中しているのを感じる。その部分が熱くてかゆい
蕁麻疹が出ていた
「ももには、少し過激すぎる映像やったな」
私だって、免疫という訳じゃないけど、キスシーンくらいテレビや映画で見たことある
だけど、自分の知っている身近な、いや知りすぎている皇兄のキスシーンだったから・・
そっか、皇兄にはちゃんと彼女いるじゃない
改めて聞かなくてよかった
『私のせいで彼女をつくらないの?』って
お母さんが私のせいで皇兄が彼女を作れないと言っていたの、気になってたんだ
よかった・・んだよね・・?
カチッ と金属の擦れる音がして、私は現実に戻り音の方向を見た
「な・・」
音はライターを擦った音で、皇兄がタバコに火を点け、深く息を吸い込んでいる所だった
携帯画面とは違う、無表情の顔で皇兄は沢村双葉の顎を持ち上げた
『キスしてくれるんですか?』
『黙れよ。ベラベラ喋っていると、舌を噛むだろ』
暗くて、冷たい声
ゾクリ
私の身体に悪寒が走り、両腕で自分を抱え込んだ
「今度は寒いんか?」
「会長さん、あの人誰です・・か?」
姿は皇兄だと分かっているのに、感情が追いつけなくて、質問を投げかけていた
「誰って、双葉とこーちゃんや、桜庭皇紀。もも、こーちゃんに会うの初めてなんか?まぁ、分からんのも無理ないな。今日のこーちゃん、えろう豹変しとるし」
そう、桜庭皇紀。私の1つ上の兄
改めて確かめなくても目の前にいるのは皇兄
他の人よりお互いの事を知っているはずだった
声を漏らしそうになる自分の口を両手で押えた
画面から目を逸らせない自分がいた
皇兄のキスシーン
画面の皇兄は、相手の女性の唇に親指をあてて静かになぞると、彼女の顔を両手で抱え、上唇からそっと口付けている
「こーちゃん・・幸せそうやなぁ」
会長さんの言葉通り、皇兄の表情は本当に幸せそうだった
相手の彼女の事が本当に好きで、愛しむように優しく唇を押し付けている
皇兄のこの表情が、私が画面から目を外す事が出来なかった理由
「///」
その後のキスシーンは、ちょっと言葉では言い表せなくて、心臓からどんどん頭の上に血が上ってくるのを感じていた
「もも、熱でもあるんか?」
「いえ、その・・」
私の額に会長さんの掌がかざされた
熱が・・首すじと額に集中しているのを感じる。その部分が熱くてかゆい
蕁麻疹が出ていた
「ももには、少し過激すぎる映像やったな」
私だって、免疫という訳じゃないけど、キスシーンくらいテレビや映画で見たことある
だけど、自分の知っている身近な、いや知りすぎている皇兄のキスシーンだったから・・
そっか、皇兄にはちゃんと彼女いるじゃない
改めて聞かなくてよかった
『私のせいで彼女をつくらないの?』って
お母さんが私のせいで皇兄が彼女を作れないと言っていたの、気になってたんだ
よかった・・んだよね・・?
カチッ と金属の擦れる音がして、私は現実に戻り音の方向を見た
「な・・」
音はライターを擦った音で、皇兄がタバコに火を点け、深く息を吸い込んでいる所だった
携帯画面とは違う、無表情の顔で皇兄は沢村双葉の顎を持ち上げた
『キスしてくれるんですか?』
『黙れよ。ベラベラ喋っていると、舌を噛むだろ』
暗くて、冷たい声
ゾクリ
私の身体に悪寒が走り、両腕で自分を抱え込んだ
「今度は寒いんか?」
「会長さん、あの人誰です・・か?」
姿は皇兄だと分かっているのに、感情が追いつけなくて、質問を投げかけていた
「誰って、双葉とこーちゃんや、桜庭皇紀。もも、こーちゃんに会うの初めてなんか?まぁ、分からんのも無理ないな。今日のこーちゃん、えろう豹変しとるし」
そう、桜庭皇紀。私の1つ上の兄
改めて確かめなくても目の前にいるのは皇兄
他の人よりお互いの事を知っているはずだった