神様、僕に妹を下さい

Act.013 サイド晶(あきら)

ドキン・ドキンこの瞬間がいつも緊張してしまう

自分の作ったものを食べてもらうのって、しかも目の前で

当然『美味しい』って言われたら、作ったかいもあるし自信も付くんだけど、相手が皇兄となると、その緊張は2倍にも3倍にもなった

私はベットに腰掛ける皇兄の横に座って、じーっと皇兄の顔の表情を見ていた

早く、早く食べて!!
今回はいつもと違って自身があるの♪
どう?どうですか??

「あのさ・・そんなにジッと見てられると、食べるに食べれないんだけど」

皇兄はため息を付いて、困ったようにこっちを見た

「ご・・ごめんなさい。・・ってまた言っちゃった」

さっき皇兄に言われたばかりの事を思い出す『お前って、悪くもないのに謝るのな』って

確かに悪くもないのに、口癖でついつい『ごめんなさい』って言ってしまうのは良くないと思う

でもこの場合、じーっと見ている私が悪いのだから、謝ってよかったのかな?

「晶・・お前さっきオレが言ったこと、気にしてるのか?」
 
私の言動に感の鋭い皇兄は気が付いた様だった

「気・・気にしてないもん」

ほんとはちょっと気にしてたりして
自分でも悪い癖だなーって思ってたのを、追い討ちで言われたのだから

「あー。えーと」
皇兄はコリコリと人指し指で頭をかいた

「あれは・・本当にオレが悪かった。ごめん。体調が悪くて、ついお前に奴当たりした。だから気にするな」

「え・・皇兄・・まだ具合悪いの?」

「なんで?」

「いや、皇兄が私に謝るなんてないからつい・・」

まだ、どこか悪いんじゃないかと・・・疑ってしまう

「二度と言わないからな。あと、さっきの事は忘れろ。・・てオレが言わなくても、記憶力の悪いお前なら大丈夫だな」

ひどいっ
でも、いつもの皇兄の毒舌にもどってる
へへへ・・・何か安心した

「ではでは、気を取り直して、チーズケーキ行ってみてください」

「あぁ、オレの採点は甘くないからな」

そう言って皇兄はケーキを口に持っていった
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