神様、僕に妹を下さい
Act.138 サイド晶(あきら)
「『もも』それ、ほんまにそう思とるんか?」
会長さんはコピー機の電源を入れ、カードキーを差し込み、手馴れた手つきでボタンを押した
本当は私がやるはずなんだけど、電源スイッチを押す所から躓く始末
見かねた会長さんが私を丸椅子に座らせ、代わりに操作をしてくれたのだ
「だって、動悸・息切れはするし、身体の血が沸騰しそうなくらい熱くなって。これってやっぱり病気なんだと思うんです」
ちなみに現在、私の身体は落ち着きを取り戻しつつあった
会長さんの顔色も、赤みが除々に引いてきている
「病院、行った方がいいですよね?」
病院特有の雰囲気と医薬品の匂い。行く前から、気分が重くなってしまう
「これって、何科に行けばいいんですか?」
蕁麻疹は皮膚科。じゃぁ、動悸・息切れは何科なの?
「心療内科とちゃうか」
心療・・内科?
「心療内科って、心の病気を治すところですよね?でも症状でいったら、心臓科とか呼吸器科の系列になるんじゃないですか?」
心はいたって元気なんだけど。ただ・・しいて言うなら、時々・・
「あー。ほんまに、真面目に言うとるで、この子は・・」
会長さんはため息と共にネクタイを乱暴に外した
そして、私の目線の位置にしゃがみ込んだ
「ほんまに、解からへんの?それとも、わざど気付かん振りしとるん?」
「?」
「双葉と違て、打算で物事を考える様な子やないもんな『もも』は・・・はぁ」
会長さんは両手で頭を抱え込んで、動かなくなった
「もし、俺の考えが正しかったら、なんちゅう損な役回りやねん」
「会長・・さん?どこか具合悪いんですか?」
慌てて、椅子から降りてしゃがみ込んだ
「大丈夫ですか?」
額に手を伸ばそうとすると、瞬前に右手の平を掴まれ、あっという間に立たせられた
私の手の平は会長さんのブレザーの左懐へと忍ばせられていた
ドクッ・ドクッ・ドクッ
会長さんの心臓がものすごい速さで脈打って、プクッと吊り上げた頬の肉が、ピンク色に染まっている
「あ・・の・・・?」
「ごっつう心臓、踊っとるやろ」
次に、左手の平を掴まれ、会長さんの右頬に持っていかれた
「見せたないけど、顔、赤こうなって、熱をおびとる。『もも』が言っている症状と同じ・・」
そう言うと会長さんは、目を伏せた
会長さんはコピー機の電源を入れ、カードキーを差し込み、手馴れた手つきでボタンを押した
本当は私がやるはずなんだけど、電源スイッチを押す所から躓く始末
見かねた会長さんが私を丸椅子に座らせ、代わりに操作をしてくれたのだ
「だって、動悸・息切れはするし、身体の血が沸騰しそうなくらい熱くなって。これってやっぱり病気なんだと思うんです」
ちなみに現在、私の身体は落ち着きを取り戻しつつあった
会長さんの顔色も、赤みが除々に引いてきている
「病院、行った方がいいですよね?」
病院特有の雰囲気と医薬品の匂い。行く前から、気分が重くなってしまう
「これって、何科に行けばいいんですか?」
蕁麻疹は皮膚科。じゃぁ、動悸・息切れは何科なの?
「心療内科とちゃうか」
心療・・内科?
「心療内科って、心の病気を治すところですよね?でも症状でいったら、心臓科とか呼吸器科の系列になるんじゃないですか?」
心はいたって元気なんだけど。ただ・・しいて言うなら、時々・・
「あー。ほんまに、真面目に言うとるで、この子は・・」
会長さんはため息と共にネクタイを乱暴に外した
そして、私の目線の位置にしゃがみ込んだ
「ほんまに、解からへんの?それとも、わざど気付かん振りしとるん?」
「?」
「双葉と違て、打算で物事を考える様な子やないもんな『もも』は・・・はぁ」
会長さんは両手で頭を抱え込んで、動かなくなった
「もし、俺の考えが正しかったら、なんちゅう損な役回りやねん」
「会長・・さん?どこか具合悪いんですか?」
慌てて、椅子から降りてしゃがみ込んだ
「大丈夫ですか?」
額に手を伸ばそうとすると、瞬前に右手の平を掴まれ、あっという間に立たせられた
私の手の平は会長さんのブレザーの左懐へと忍ばせられていた
ドクッ・ドクッ・ドクッ
会長さんの心臓がものすごい速さで脈打って、プクッと吊り上げた頬の肉が、ピンク色に染まっている
「あ・・の・・・?」
「ごっつう心臓、踊っとるやろ」
次に、左手の平を掴まれ、会長さんの右頬に持っていかれた
「見せたないけど、顔、赤こうなって、熱をおびとる。『もも』が言っている症状と同じ・・」
そう言うと会長さんは、目を伏せた