神様、僕に妹を下さい

Act.140 サイド皇紀(こうき)

「つまり、昼間と、夕方帰ってきた時のこいもちゃんの様子が違うと言いたいわけだ」

 オレの話を、五十嵐は簡潔にまとめ上げた

 だが、オレの中では、そんな簡単に言い包めれるものじゃない
 何が原因で、誰があいつを泣かしたのか

 そして、なぜオレを避けるのか

 「考えられるのは、何かあった・・。例えば狩野にやられたとかさ。女の子は男を知ると変わるからね」

 
 「冗談でもふざけた事を言うな」
 五十嵐の言葉にギンと睨みつける

 「俺は、可能性を言ったまで。こういう場合、第3者の方が冷静だろ。当のお兄ちゃんは俺の言葉だけでも理性を失いかけてるし」


 ・・くそっ。当たっているだけに、何も言いえない
 ギリッと唇を噛んだ

 オレも、その可能性を考えていないわけではない。だが、他人の口からあえて聞かされると、たまらなくなる

 「蕁麻疹が現れるのって、怒った時や興奮した時なんだろ。やっぱりこいもちゃんに血を彷彿とさせる様な事があったと考えるべきかな。嫌な事されたとか、見たとか・・快楽に溺れさせられ後だったとか」

 「お前、楽しいか?」
 オレを追いつめて、そんなに楽しいのか?

 「皇紀さぁ、そうやって妹ちゃんが彼氏と何かある度にドロドロの渦の中に身をおくの?、自分の気持ちは伝えないのに、嫉妬はする。それって、身勝手すぎない?」

 「じゃぁ、お前はアイツにオレの気持ちを伝えろって言うのか!」
 
 プツッと切れた
 中庭にオレの声が響き渡り、窓ガラスがピシピシと鳴った

 「そうじゃない。気持ちを伝えないと決めたのは、お前だから」

 五十嵐は大きく息を吐く

 「ただ・・元々、お前から離れようと思っていたのが、妹ちゃんから離れてくれようとしているんだろ。その事実を良いほうに考えたらどう?」

 晶は、オレの姿を見ると逃げる。避けられるのはつらい

 だが、このまま、晶に触れ続けたら、決心が鈍る

 今なら自然に晶から離れる事ができる

 晶の幸せを考えるなら、それがいい

 
 「お前って、ホント酷いこと平気で言うよな」

 「フフッ。俺しかお前に言えないしょ。後、しばらくはその顔で人前を歩かない方がいいぜ」

 「あぁ」
 込み上げる熱いものを必死でこらえていた
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