神様、僕に妹を下さい
Act.149 サイド晶(あきら)
「痛い・・やめ・・」
さらに、皇兄の掴む力は強くなり、私の腕は街灯の光の方向に放り出された
その反動で、時計は宙に短い曲線を描く
ガシャン
時すでに遅く、時計はガラス戸を破ると、カンッと屋根に当たり、外に消えていった
まるで、スローモーションを見ているかの様だった
「あ・・時計」
立ち尽くしていた私が、落ちた時計の事を考えるのに、しばらく時間がかかった
「探しに行かないと」
すでに、皇兄の姿はなく、部屋の扉が宙ぶらりんで開いていた
皇兄に掴まれた腕が、熱い
玄関を出て、時計の落ちた裏庭に向かう
私が裏庭に着いた時、丁度、皇兄が地面から腕時計を拾い上げているところだった
そして、それを両手で大事そうに抱えると、星を見上げ、耳に当てた
「よかった。動いている」
皇兄はまるで、恋人に囁くように優しく話しかけると、目を閉じ腕時計にキスをした
ドクン・ドクン・ドクン
さっきまで、何事もなかった私の心臓が動き出す
皇兄の瞳がゆっくり開けられ、まっすぐに私を見据えた
瞳に飲み込まれる
息が苦しい
自分でも気づかないうちに肩から息をしていた
苦しい
『5分。相手の顔を見とっても何とも思わんかったら、それは恋やない。我慢できず逃げたいと思たら、1歩踏みとどまって、ここに聞くんや』
あの時会長さんは、親指を立てて、鎖骨の下を指差した
逃げずに、素直に心に問いてみろと
「お前・・なんでここに?」
動けない私の前に、皇兄が立っている
皇兄の顔を見上げることが出来ない私は、ただ・・足元だけを見ていた
1歩踏みとどまるどころか、逃げる事も出来ない
「あき・・ら?」
皇兄の柔らかい指先が私の肩に触れる
「いっ嫌!!」
手を払いのけ、身体を両手で抱え、しゃがみ込んだ
皇兄に触れられた部分が熱い
ポツン・ポツンと蕁麻疹が姿を見せる
「お前・・何なの?自分の事はほっといてくれって、オレに言ったよな。なのに何でお前から近付いてくるわけ?」
「・・・・」
「また・・ダンマリ・・」
「ごめん・・なさい」
「そのセリフ、もう、何度も聞いた。もういい加減にしてくれ!」
私の腕が掴まれ、引き上げられた
さらに、皇兄の掴む力は強くなり、私の腕は街灯の光の方向に放り出された
その反動で、時計は宙に短い曲線を描く
ガシャン
時すでに遅く、時計はガラス戸を破ると、カンッと屋根に当たり、外に消えていった
まるで、スローモーションを見ているかの様だった
「あ・・時計」
立ち尽くしていた私が、落ちた時計の事を考えるのに、しばらく時間がかかった
「探しに行かないと」
すでに、皇兄の姿はなく、部屋の扉が宙ぶらりんで開いていた
皇兄に掴まれた腕が、熱い
玄関を出て、時計の落ちた裏庭に向かう
私が裏庭に着いた時、丁度、皇兄が地面から腕時計を拾い上げているところだった
そして、それを両手で大事そうに抱えると、星を見上げ、耳に当てた
「よかった。動いている」
皇兄はまるで、恋人に囁くように優しく話しかけると、目を閉じ腕時計にキスをした
ドクン・ドクン・ドクン
さっきまで、何事もなかった私の心臓が動き出す
皇兄の瞳がゆっくり開けられ、まっすぐに私を見据えた
瞳に飲み込まれる
息が苦しい
自分でも気づかないうちに肩から息をしていた
苦しい
『5分。相手の顔を見とっても何とも思わんかったら、それは恋やない。我慢できず逃げたいと思たら、1歩踏みとどまって、ここに聞くんや』
あの時会長さんは、親指を立てて、鎖骨の下を指差した
逃げずに、素直に心に問いてみろと
「お前・・なんでここに?」
動けない私の前に、皇兄が立っている
皇兄の顔を見上げることが出来ない私は、ただ・・足元だけを見ていた
1歩踏みとどまるどころか、逃げる事も出来ない
「あき・・ら?」
皇兄の柔らかい指先が私の肩に触れる
「いっ嫌!!」
手を払いのけ、身体を両手で抱え、しゃがみ込んだ
皇兄に触れられた部分が熱い
ポツン・ポツンと蕁麻疹が姿を見せる
「お前・・何なの?自分の事はほっといてくれって、オレに言ったよな。なのに何でお前から近付いてくるわけ?」
「・・・・」
「また・・ダンマリ・・」
「ごめん・・なさい」
「そのセリフ、もう、何度も聞いた。もういい加減にしてくれ!」
私の腕が掴まれ、引き上げられた