神様、僕に妹を下さい
Act.162 サイド皇紀(こうき)
はぁ、最近涙腺が弱くなり、すぐに落涙しそうになる
大声を上げて泣けたら、スッキリするのだろうが、我慢をしてしまうせいで鼻の奥がツンと痛い
学校についてすぐ、洗面所に向かうと、鏡で顔を確認した
「これなら・・まぁ」
大丈夫だろう。朝一で五十嵐に頼みごとをしなければならない
『今日から、泊めてくれ』・・と
不本意だが、黙って泊めてくれそうなのはあいつしかいない
『黙って』・・は泊めてくれる訳ないか。絶対、理由を訊いてくるに違いない
とりあえず、教室に戻ってどう切り出すか、考えるか
五十嵐が登校してくるには、まだ時間がある
「あ・・お前・・」
教室に入ると、いないはずの五十嵐がネクタイを調え、風紀委員のワッペンを左腕にはめている所だった
「はよー。皇紀、早いね、いつもそうなの?」
五十嵐は、両手を上に挙げ背伸びする
「あぁ、お前こそ」
晶と顔を合わせたくないから、最近は早く登校しているとは言えないだろう
「昨日急に、風紀の抜打ち検査が決まってさ。せっかく、彼女とモーニングコーヒーを楽しもうと思ってたのに、ついてない」
「お前・・風紀委員だったのか?」
こいつが・・一番、風紀を乱していると思うが・・
「そうよ、似合ってるっしょ」
「そ・・そうだな」
なんとか、うなづくも・・目線は合わせない
「フッ、正直な奴。じゃぁ、俺、行くよんっ」
教室を出て行く、五十嵐の後を急いで追いかけた
「五十嵐」
「なーに?」
五十嵐はオレが何か言いたげな事を知っているみたいだ
「今日から、しばらくお前の家に泊めてほしい。雨・風さえ凌げれば、後は何とかするから」
「いいよ。今日からだな、家に電話しとくよ。それだけ?」
「あ・・あぁ」
五十嵐の事だから、てっきり深く追求してくるかと構えていたが、ちょっと拍子抜け
「じゃぁ、代わりに何だけど、はい」
ボーっと突っ立っているオレの手の平に、ポンッと風紀委員のワッペンが置かれた
「は?」
オレにこれをどうしろと?
「一緒にやってくれるよな。風紀委員」
「え?」
冗談はやめてくれ・・とは言えず
「解かった」
と渋々、返事をした
だから五十嵐は、理由を訊かずに、即答の返事をくれたのだ
大声を上げて泣けたら、スッキリするのだろうが、我慢をしてしまうせいで鼻の奥がツンと痛い
学校についてすぐ、洗面所に向かうと、鏡で顔を確認した
「これなら・・まぁ」
大丈夫だろう。朝一で五十嵐に頼みごとをしなければならない
『今日から、泊めてくれ』・・と
不本意だが、黙って泊めてくれそうなのはあいつしかいない
『黙って』・・は泊めてくれる訳ないか。絶対、理由を訊いてくるに違いない
とりあえず、教室に戻ってどう切り出すか、考えるか
五十嵐が登校してくるには、まだ時間がある
「あ・・お前・・」
教室に入ると、いないはずの五十嵐がネクタイを調え、風紀委員のワッペンを左腕にはめている所だった
「はよー。皇紀、早いね、いつもそうなの?」
五十嵐は、両手を上に挙げ背伸びする
「あぁ、お前こそ」
晶と顔を合わせたくないから、最近は早く登校しているとは言えないだろう
「昨日急に、風紀の抜打ち検査が決まってさ。せっかく、彼女とモーニングコーヒーを楽しもうと思ってたのに、ついてない」
「お前・・風紀委員だったのか?」
こいつが・・一番、風紀を乱していると思うが・・
「そうよ、似合ってるっしょ」
「そ・・そうだな」
なんとか、うなづくも・・目線は合わせない
「フッ、正直な奴。じゃぁ、俺、行くよんっ」
教室を出て行く、五十嵐の後を急いで追いかけた
「五十嵐」
「なーに?」
五十嵐はオレが何か言いたげな事を知っているみたいだ
「今日から、しばらくお前の家に泊めてほしい。雨・風さえ凌げれば、後は何とかするから」
「いいよ。今日からだな、家に電話しとくよ。それだけ?」
「あ・・あぁ」
五十嵐の事だから、てっきり深く追求してくるかと構えていたが、ちょっと拍子抜け
「じゃぁ、代わりに何だけど、はい」
ボーっと突っ立っているオレの手の平に、ポンッと風紀委員のワッペンが置かれた
「は?」
オレにこれをどうしろと?
「一緒にやってくれるよな。風紀委員」
「え?」
冗談はやめてくれ・・とは言えず
「解かった」
と渋々、返事をした
だから五十嵐は、理由を訊かずに、即答の返事をくれたのだ