神様、僕に妹を下さい
Act.164 サイド皇紀(こうき)
「先輩、私を見てください。違反してると思うんです」
「じゃぁ、生徒手帳を出して」
このやりとりを、ここに座って何回こなしただろう
最初の風紀委員長の話とは大分状況が違ってきている
当初の話では、違反を隠してくるのが大半だと聞いたが、来る生徒のほとんどが、違反を自己申告してきていた
楽といえは楽なんだが、検査の為に並んでいる列の長さを見ると、頭が痛くなる
「五十嵐、生徒会で風紀委員の人数を増やす様、提案しようか?」
隣にいる五十嵐に、耳打ちする
「してもかまわないけど、無意味だぜ」
「何で?この人数では、捌けないだろ」
だから、増やそうと言って・・・どうも何か五十嵐の様子がおかしい
「お前、何か隠してるだろ」
「んーまぁ、皇紀の人気が予想以上で、俺も捌ききれなくてさぁ」
何を捌き切れないと?
「どーせ、やるなら、一気に済ませた方が楽だと思って」
だから、何を・・だ?
「皇紀に直接会って、告りたいなら、今朝がチャンスだと・・」
「言ったのか!!」
「言ったんじゃなくて、SNSに流した」
どっちも一緒だろうが!!
じゃぁ、オレ側についている列のすべてが・・
最後尾が見えない
道理で、さっきから、手を握られたり、生徒手帳にオレのサインを書いてくれなど、意味不明な要望が多かった訳だ
「ふざけるな。オレは戻る!」
勢い良く立ち上がったオレに
『こいつの髪はもとからこの色だ!』
という怒鳴り声が入ってきた
この声・・どこかで? 考え込むオレの腕を、五十嵐が掴み元の席に腰掛けさせられた
「なーに、ヤローの声に反応してんの?皇紀の相手は、こちらのレディ達でしょ」
「あ・・あぁ」
何だ・・?何か引っ掛かる
声がしたのは、オレとは反対の左端の列からだ
くそっ、オレの周りの女子生徒のせいで、見る事もままならない
あの声の後も、何だかもめている雰囲気は掴めるのだが、内容までは聞き取れなかった
「五十嵐、お前の隣の隣、何かもめてないか?」
「んー?」
五十嵐は体勢を斜めにし、オレの言う方向を覗き込んだ
「1年だな、浅黒いナマイキそうな男と・・ほー」
「ほーって何だ?その続きを言えよ」
「その横に、マロンショコラ色の髪の女の子」
「じゃぁ、生徒手帳を出して」
このやりとりを、ここに座って何回こなしただろう
最初の風紀委員長の話とは大分状況が違ってきている
当初の話では、違反を隠してくるのが大半だと聞いたが、来る生徒のほとんどが、違反を自己申告してきていた
楽といえは楽なんだが、検査の為に並んでいる列の長さを見ると、頭が痛くなる
「五十嵐、生徒会で風紀委員の人数を増やす様、提案しようか?」
隣にいる五十嵐に、耳打ちする
「してもかまわないけど、無意味だぜ」
「何で?この人数では、捌けないだろ」
だから、増やそうと言って・・・どうも何か五十嵐の様子がおかしい
「お前、何か隠してるだろ」
「んーまぁ、皇紀の人気が予想以上で、俺も捌ききれなくてさぁ」
何を捌き切れないと?
「どーせ、やるなら、一気に済ませた方が楽だと思って」
だから、何を・・だ?
「皇紀に直接会って、告りたいなら、今朝がチャンスだと・・」
「言ったのか!!」
「言ったんじゃなくて、SNSに流した」
どっちも一緒だろうが!!
じゃぁ、オレ側についている列のすべてが・・
最後尾が見えない
道理で、さっきから、手を握られたり、生徒手帳にオレのサインを書いてくれなど、意味不明な要望が多かった訳だ
「ふざけるな。オレは戻る!」
勢い良く立ち上がったオレに
『こいつの髪はもとからこの色だ!』
という怒鳴り声が入ってきた
この声・・どこかで? 考え込むオレの腕を、五十嵐が掴み元の席に腰掛けさせられた
「なーに、ヤローの声に反応してんの?皇紀の相手は、こちらのレディ達でしょ」
「あ・・あぁ」
何だ・・?何か引っ掛かる
声がしたのは、オレとは反対の左端の列からだ
くそっ、オレの周りの女子生徒のせいで、見る事もままならない
あの声の後も、何だかもめている雰囲気は掴めるのだが、内容までは聞き取れなかった
「五十嵐、お前の隣の隣、何かもめてないか?」
「んー?」
五十嵐は体勢を斜めにし、オレの言う方向を覗き込んだ
「1年だな、浅黒いナマイキそうな男と・・ほー」
「ほーって何だ?その続きを言えよ」
「その横に、マロンショコラ色の髪の女の子」