神様、僕に妹を下さい
Act.167 サイド晶(あきら)
「では、3日以内に髪の色を元に戻してきなさい」
ポンと生徒手帳に違反のハンコを押され、私達は風紀委員から解放された
「まさか、皇兄が風紀やってるなんて思わなかったね」
つとめて、明るく桜場に話しかける
「・・・・」
桜場は無言で、バスケットコートへ向かって歩いていた
怒ってる・・よね
私の髪の為に、自分の事の様に怒ってくれた桜場
それを、私はぶち壊したんだもの
私はダッシュして、コートの側にあるベンチに走った
ベンチに置き忘れてある、桜場の上着を拾い上げ、埃を払うと後から来た桜場に渡した
「お前は・・本当にそれでいいのかよ」
「髪の色、元に戻しなさいって言われちゃったけど、私の元の色ってどんな色だと思う?」
お父さんの先々代の祖父が英国の血筋ではなかったら、もうすこしお母さんの血筋が強かったら、皇兄の様な、艶やかな黒髪になっていたのだろうか?
「そんなの、知らねぇよ。お前が黒くしたけりゃすればいい。俺が訊いているのは、嘘つき呼ばわりされて、お前悔しくないのかよ」
「それは・・」
「俺は、悔しいし、すげぇムカつく。だからこんな事になって、笑っているお前も、あの状況でお前を助けない皇先輩も信じられない」
桜場はぶっきらぼうにネクタイを締めると、上着は着ずに肩に羽織った
「悪いけどさ俺、しばらくお前とは話したくない。先、行くわ」
「さく・・」
桜場の真っ直ぐな性格では、どうしても許せなかったのだろう
ごめんね。ごめんね桜場
でも・・桜場と皇兄が私のことで、険悪な関係になるのを見るのが耐えられなかったの
皇兄にも、余計な迷惑はかけたくなかった
本当にそれだけなの・・私?
あの時・・・桜場が、私が皇兄の妹だと叫ぼうとした瞬間
すごく、すごく嫌だったの
妹だって言われる事が・・嫌だった
兄に恋してると気付いた途端、自分にこんな感情が生まれるなんて思ってもみなかった
「髪・・染めたら・・」
自分の髪をつまんで持ち上げる
この髪を染めたら、少しはふっきれる事が出来て、皇兄の妹に戻ることが出来るだろうか
ポンと生徒手帳に違反のハンコを押され、私達は風紀委員から解放された
「まさか、皇兄が風紀やってるなんて思わなかったね」
つとめて、明るく桜場に話しかける
「・・・・」
桜場は無言で、バスケットコートへ向かって歩いていた
怒ってる・・よね
私の髪の為に、自分の事の様に怒ってくれた桜場
それを、私はぶち壊したんだもの
私はダッシュして、コートの側にあるベンチに走った
ベンチに置き忘れてある、桜場の上着を拾い上げ、埃を払うと後から来た桜場に渡した
「お前は・・本当にそれでいいのかよ」
「髪の色、元に戻しなさいって言われちゃったけど、私の元の色ってどんな色だと思う?」
お父さんの先々代の祖父が英国の血筋ではなかったら、もうすこしお母さんの血筋が強かったら、皇兄の様な、艶やかな黒髪になっていたのだろうか?
「そんなの、知らねぇよ。お前が黒くしたけりゃすればいい。俺が訊いているのは、嘘つき呼ばわりされて、お前悔しくないのかよ」
「それは・・」
「俺は、悔しいし、すげぇムカつく。だからこんな事になって、笑っているお前も、あの状況でお前を助けない皇先輩も信じられない」
桜場はぶっきらぼうにネクタイを締めると、上着は着ずに肩に羽織った
「悪いけどさ俺、しばらくお前とは話したくない。先、行くわ」
「さく・・」
桜場の真っ直ぐな性格では、どうしても許せなかったのだろう
ごめんね。ごめんね桜場
でも・・桜場と皇兄が私のことで、険悪な関係になるのを見るのが耐えられなかったの
皇兄にも、余計な迷惑はかけたくなかった
本当にそれだけなの・・私?
あの時・・・桜場が、私が皇兄の妹だと叫ぼうとした瞬間
すごく、すごく嫌だったの
妹だって言われる事が・・嫌だった
兄に恋してると気付いた途端、自分にこんな感情が生まれるなんて思ってもみなかった
「髪・・染めたら・・」
自分の髪をつまんで持ち上げる
この髪を染めたら、少しはふっきれる事が出来て、皇兄の妹に戻ることが出来るだろうか