神様、僕に妹を下さい
Act.173 サイド晶(あきら)
「あれ?クラスの奴らがいねぇ。ま、いいか。座れよ晶」
ん・・・なんだろう?妙な違和感を感じつつ、椅子に腰掛ける
クラスのみんなは只今、調理実習室でお食事中。どうやら桜場はその事を忘れているみたい
「膝と手首」
言われた箇所を見ると、薄っすら血が滲み出ていた
「まさか・・もう使う事になるとは」
諦めに似た呟きと共に、桜場のポケットから携帯消毒液と絆創膏が取り出され、シュッと消毒、ペタッと絆創膏が貼られた
「ありがと・・すごいね。そんなのちゃんと準備してるんだ。まるで・・」
まるで、皇兄みたいだと言いそうになって、言葉を止めた
「なんだよ。途中で止めるなよな」
「ごめん」
桜場・・ケンカをしたって聞いたけど、誰としたの?
相手は・・皇兄?
訊きたいけど・・
「桜場こそ、怪我大丈夫なの?」
肘の包帯が痛々しい
「あぁ、これか?良いっていったのに、あの人が大袈裟なんだよ。俺より、相手の方が酷いって言うのにな」
「あ・相手って・・誰?その人は大丈夫なの?」
相手の方が酷いと聞いて、思わず声が出た
「お前、俺より相手の心配で来たわけ?」
桜場は体操着を脱ぎ捨て、制服に着替え始めた
「・・桜場の事も心配で、相手が2年生だと聞いたからその・・」
「相手が2年1組だと聞いたからだろ?」
「う・・」
図星★
「下も着替えるから、向こう向いてろ」
「うん」
「安心しろ。相手はお前が思っている人じゃない」
「ホント!皇兄じゃぁ、キャッ」
思わず、振り向いた先には、桜場のトランクス姿
柄は、赤のストライプ
「この、バカ晶!」
まただ・・。この違和感
「ごっごめん。でも、これでお相子だね。私もさっき見られたし・・あっ!」
声を上げ、振り返る。桜場はまだトランクス姿
「だから、こっち向くなって」
「桜場・・」
「なんだよ」
「私の事、『にわ』じゃなくて『晶』って呼んだ!?」
違和感の正体。今まで桜場には名前で呼ばれた事がなかった
「ね、『晶』って呼んだよね?」
詰め寄る私に、桜場が後退する
「頼むから、ズボンを履かせてくれ」
それも、そうだ。クルリとまた、方向転換
シュルっと桜場がベルトをかける音が響く
ん・・・なんだろう?妙な違和感を感じつつ、椅子に腰掛ける
クラスのみんなは只今、調理実習室でお食事中。どうやら桜場はその事を忘れているみたい
「膝と手首」
言われた箇所を見ると、薄っすら血が滲み出ていた
「まさか・・もう使う事になるとは」
諦めに似た呟きと共に、桜場のポケットから携帯消毒液と絆創膏が取り出され、シュッと消毒、ペタッと絆創膏が貼られた
「ありがと・・すごいね。そんなのちゃんと準備してるんだ。まるで・・」
まるで、皇兄みたいだと言いそうになって、言葉を止めた
「なんだよ。途中で止めるなよな」
「ごめん」
桜場・・ケンカをしたって聞いたけど、誰としたの?
相手は・・皇兄?
訊きたいけど・・
「桜場こそ、怪我大丈夫なの?」
肘の包帯が痛々しい
「あぁ、これか?良いっていったのに、あの人が大袈裟なんだよ。俺より、相手の方が酷いって言うのにな」
「あ・相手って・・誰?その人は大丈夫なの?」
相手の方が酷いと聞いて、思わず声が出た
「お前、俺より相手の心配で来たわけ?」
桜場は体操着を脱ぎ捨て、制服に着替え始めた
「・・桜場の事も心配で、相手が2年生だと聞いたからその・・」
「相手が2年1組だと聞いたからだろ?」
「う・・」
図星★
「下も着替えるから、向こう向いてろ」
「うん」
「安心しろ。相手はお前が思っている人じゃない」
「ホント!皇兄じゃぁ、キャッ」
思わず、振り向いた先には、桜場のトランクス姿
柄は、赤のストライプ
「この、バカ晶!」
まただ・・。この違和感
「ごっごめん。でも、これでお相子だね。私もさっき見られたし・・あっ!」
声を上げ、振り返る。桜場はまだトランクス姿
「だから、こっち向くなって」
「桜場・・」
「なんだよ」
「私の事、『にわ』じゃなくて『晶』って呼んだ!?」
違和感の正体。今まで桜場には名前で呼ばれた事がなかった
「ね、『晶』って呼んだよね?」
詰め寄る私に、桜場が後退する
「頼むから、ズボンを履かせてくれ」
それも、そうだ。クルリとまた、方向転換
シュルっと桜場がベルトをかける音が響く