神様、僕に妹を下さい
Act.174 サイド晶(あきら)
『にわ』
入学して、出会ったときから、そう呼ばれていた
名字が同じで、紛らわしいが為に桜場が勝手に決めたあだ名
「聖二(せいじ)お前も、そう呼んでいいから」
「誰?せいじって」
「俺」
突然、名前で呼んで良いって言われても・・『晶』と呼び捨てされるのさえ、慣れていないのに
それに・・『しばらくはお前とは話したくない』と言われたのを思い出した
今朝の私の態度で、怒らせたはず
「晶、聞いてる?」
ポンッと頭を小突かれ、我に返る
「えっと、名前で呼ぶんだっけ?」
「違~う。聞いてねぇじゃん。今日、17時過ぎにもう一度、風紀に掛け合おうって話」
「桜場の違反3つになった事だね」
「お前、ボケてんの?お前の髪のだよ、髪。今朝は俺もカッとなって、お前が止めてくれなかったら、マジやばかった。サンキュな」
ズキン。ちくちくと、心が痛い
違うよ。桜場
桜場を止めたのは、私が皇兄の妹だと言われたくなかっただけ
私のワガママなんだよ
お礼なんて言われると・・なんて言っていいのか・・
「また、そんな顔をする」
両頬をつままれ、両側に引っ張られた
「ふに・・しゃくらば」
「面白い顔。やっぱ、こっちの方が似合うな」
どういう意味よ
ムッとする私に、桜場が笑いかける
「ダチには笑っていてほしいだろ。男と女の友情は無いという奴もいるけど、俺はあると思うんだよな。晶もそう思うだろ」
「あ・・あぁ」
「だよな。お前とは気が合うと思ってたんだ。ダチだと認識したら、なんかスッキリしてさ。改めて宜しくな」
上着で右手を拭い、私の前に手の平が差し出される
「こちらこそ」
同じく私も手を拭うと、桜場の手に重ねた
放課後・・一人で行こうと思ってたんだけど、やっぱり一人だと決心が鈍りそう
「桜場、お願いがあるんだけど」
「何だ?」
「今日午後の授業さぼって、美容院に付き合ってほしいんだけど」
これは、吹っ切る儀式
「美容院って、髪の件は一緒に風紀に掛け合いに行くって言ったろ」
「うん。もちろん一緒に行くよ。でも、その前に美容院に行きたいの」
忘れる
皇兄に抱いた、恋心を髪と一緒に置いて来る
「お願い。ダチなんでしょ。聖二」
入学して、出会ったときから、そう呼ばれていた
名字が同じで、紛らわしいが為に桜場が勝手に決めたあだ名
「聖二(せいじ)お前も、そう呼んでいいから」
「誰?せいじって」
「俺」
突然、名前で呼んで良いって言われても・・『晶』と呼び捨てされるのさえ、慣れていないのに
それに・・『しばらくはお前とは話したくない』と言われたのを思い出した
今朝の私の態度で、怒らせたはず
「晶、聞いてる?」
ポンッと頭を小突かれ、我に返る
「えっと、名前で呼ぶんだっけ?」
「違~う。聞いてねぇじゃん。今日、17時過ぎにもう一度、風紀に掛け合おうって話」
「桜場の違反3つになった事だね」
「お前、ボケてんの?お前の髪のだよ、髪。今朝は俺もカッとなって、お前が止めてくれなかったら、マジやばかった。サンキュな」
ズキン。ちくちくと、心が痛い
違うよ。桜場
桜場を止めたのは、私が皇兄の妹だと言われたくなかっただけ
私のワガママなんだよ
お礼なんて言われると・・なんて言っていいのか・・
「また、そんな顔をする」
両頬をつままれ、両側に引っ張られた
「ふに・・しゃくらば」
「面白い顔。やっぱ、こっちの方が似合うな」
どういう意味よ
ムッとする私に、桜場が笑いかける
「ダチには笑っていてほしいだろ。男と女の友情は無いという奴もいるけど、俺はあると思うんだよな。晶もそう思うだろ」
「あ・・あぁ」
「だよな。お前とは気が合うと思ってたんだ。ダチだと認識したら、なんかスッキリしてさ。改めて宜しくな」
上着で右手を拭い、私の前に手の平が差し出される
「こちらこそ」
同じく私も手を拭うと、桜場の手に重ねた
放課後・・一人で行こうと思ってたんだけど、やっぱり一人だと決心が鈍りそう
「桜場、お願いがあるんだけど」
「何だ?」
「今日午後の授業さぼって、美容院に付き合ってほしいんだけど」
これは、吹っ切る儀式
「美容院って、髪の件は一緒に風紀に掛け合いに行くって言ったろ」
「うん。もちろん一緒に行くよ。でも、その前に美容院に行きたいの」
忘れる
皇兄に抱いた、恋心を髪と一緒に置いて来る
「お願い。ダチなんでしょ。聖二」