神様、僕に妹を下さい
Act.181 サイド晶(あきら)
その男の人は私に駆け寄り、両手で私の顔を掴んだ
突然の事で、私はポカンと口を開けた
背丈は皇兄と同じか、1cmくらい上下していて、二重瞼の顔立ちの整った男の人
でも、なぜか今にも泣きそうな目をしてる・・?
「こいもちゃん・・いや、桜庭 晶チャンだよね?」
声も、泣き声に近い?
「そうですけど・・?」
「はぁ・・マジかよ」
力なくため息をつき、スルスルと私の顔から手が離れ、彼は床にしゃがみ込んで頭を抱えた
ものすごく落ち込んでいる様に見える
「なんで、なんで切っちゃったの?」
「はい?」
言っている意味がわからない
桜場に目で『?』を示すと、目元を引きつらせ首を横に振って無言の返事が返ってきた。『相手にするなという事』かな
「どうして、切っちゃうかな。染め直してないから良かったけど、絶対怒りそう、あいつ」
大きな独り言がぶつぶつと響き、彼はゆっくり立ち上がった
ムッとした目線が桜場に注がれている
「お前がついていながら、どうして切らせたんだよ。守るんじゃなかったのか?」
「あんたには言われる筋合いはない」
桜場の知り合いの人?その割には、反感的な口調なんだけど
「あー。そうですか」
彼は早口で納得すると、私の方に目線を落とした
「突然ごめんね。驚いた?」
桜場への声色とは180度違う優しい声
「君が髪を切っていたから、俺も動転しちゃってね。でも、すごく似合ってるよ」
「はぁ」
初対面なのに、ごく自然に言葉にする人なんだなと感じる
「今から、何処に行くつもりなの?」
「風紀委員長に会いに行くんですが」
「俺が、風紀委員長だって言ったら?」
「嘘をつくな、嘘を」
横で桜場が叫ぶ
この先輩が風紀委員長ではない事くらい私でもわかるよ
「嘘だけど、半分嘘じゃない。生徒手帳出して。そこのお前も出せよ」
半信半疑でポケットから生徒手帳を出すと、ペラペラとページがめくられ、違反のページで止まった
ポンッと違反取り消し印が押される
「え?え?」
あまりのあっけない出来事に目が点になる
桜場の違反も取り消されていた
「これで、君は無罪放免。不本意だが、お前もな」
取り消し印を押された生徒手帳を、2人で眺める
突然の事で、私はポカンと口を開けた
背丈は皇兄と同じか、1cmくらい上下していて、二重瞼の顔立ちの整った男の人
でも、なぜか今にも泣きそうな目をしてる・・?
「こいもちゃん・・いや、桜庭 晶チャンだよね?」
声も、泣き声に近い?
「そうですけど・・?」
「はぁ・・マジかよ」
力なくため息をつき、スルスルと私の顔から手が離れ、彼は床にしゃがみ込んで頭を抱えた
ものすごく落ち込んでいる様に見える
「なんで、なんで切っちゃったの?」
「はい?」
言っている意味がわからない
桜場に目で『?』を示すと、目元を引きつらせ首を横に振って無言の返事が返ってきた。『相手にするなという事』かな
「どうして、切っちゃうかな。染め直してないから良かったけど、絶対怒りそう、あいつ」
大きな独り言がぶつぶつと響き、彼はゆっくり立ち上がった
ムッとした目線が桜場に注がれている
「お前がついていながら、どうして切らせたんだよ。守るんじゃなかったのか?」
「あんたには言われる筋合いはない」
桜場の知り合いの人?その割には、反感的な口調なんだけど
「あー。そうですか」
彼は早口で納得すると、私の方に目線を落とした
「突然ごめんね。驚いた?」
桜場への声色とは180度違う優しい声
「君が髪を切っていたから、俺も動転しちゃってね。でも、すごく似合ってるよ」
「はぁ」
初対面なのに、ごく自然に言葉にする人なんだなと感じる
「今から、何処に行くつもりなの?」
「風紀委員長に会いに行くんですが」
「俺が、風紀委員長だって言ったら?」
「嘘をつくな、嘘を」
横で桜場が叫ぶ
この先輩が風紀委員長ではない事くらい私でもわかるよ
「嘘だけど、半分嘘じゃない。生徒手帳出して。そこのお前も出せよ」
半信半疑でポケットから生徒手帳を出すと、ペラペラとページがめくられ、違反のページで止まった
ポンッと違反取り消し印が押される
「え?え?」
あまりのあっけない出来事に目が点になる
桜場の違反も取り消されていた
「これで、君は無罪放免。不本意だが、お前もな」
取り消し印を押された生徒手帳を、2人で眺める