神様、僕に妹を下さい
Act.183 サイド晶(あきら)
あれは、いったいなんだったんだろう・・?
「桜場、誰なのあの人?知り合いなんだよね」
「知らねーよ。あんな奴」
明らかに知ってるっていう顔だなぁ
仲良くなさそうだけど
「季節の変わり目に、あーゆー軽い奴が出て来るんだよ。あんま、気にするなよな」
「う・・ん」
結局、私の質問には答えてくれなかったなぁ
私の髪のこと、どうやって確認したのか
「むかつくけど、助かったぜ」
違反を消された生徒手帳を見ながら、桜場はつぶやいた
「あのさ、桜場」
皇兄が・・皇兄になんだよね
「何だよ」
「お礼言わなかったね」
「はぁ?あいつにか?何で言わなきゃなんねーんだよ。あいつらが信じないのが悪いんだろ。それに誤解を解くんなら、あの場でやってくれればよかったんだ」
「ん。そうだね」
たぶん、桜場も分かってる
「もっと早くそうしてくれていたら・・お前も髪を切らずに済んだのに」
桜場は私の髪をそっとつまんだ
「いや、俺がもっとしっかりしていればよかったのにな」
桜場が責任を感じる事はないの
私が髪を切ったのはね。喉の奥まで出てきてゴクンと飲み込んだ
「桜場のせいじゃないよ。私の方こそしっかりしていたら」
「ほんっとに、まさにそれに尽きるよな。お前の天然に振り回されぱなっし。参るよ・・でも、何か困った事があったら言えよ。出来る範囲で助けるから、そう宣言したしな」
「宣言?」
「いや、お前には関係ない。俺、そろそろ部活に行くわ」
「う・・うん?」
かけていく背中を見送りながら、桜場にもお礼を言わなかった事に気付いた
結局私って・・ダメな子なんだなぁと自覚
「家に帰ろうかな」
狩野先輩のピアノも聴ける気分ではないし、もしかして・・もしかしてなんだけど、早く帰ってたら皇兄に会えるかもしれない
今日から、家に帰ってこないと言われたけど、着替えとか取りにくるかもしれないし、もう一度会って、『ごめんなさい』と言いたい
『ありがとう』とも
そして、家に帰って来てくれるのをお願いしてみよう
「桜場、誰なのあの人?知り合いなんだよね」
「知らねーよ。あんな奴」
明らかに知ってるっていう顔だなぁ
仲良くなさそうだけど
「季節の変わり目に、あーゆー軽い奴が出て来るんだよ。あんま、気にするなよな」
「う・・ん」
結局、私の質問には答えてくれなかったなぁ
私の髪のこと、どうやって確認したのか
「むかつくけど、助かったぜ」
違反を消された生徒手帳を見ながら、桜場はつぶやいた
「あのさ、桜場」
皇兄が・・皇兄になんだよね
「何だよ」
「お礼言わなかったね」
「はぁ?あいつにか?何で言わなきゃなんねーんだよ。あいつらが信じないのが悪いんだろ。それに誤解を解くんなら、あの場でやってくれればよかったんだ」
「ん。そうだね」
たぶん、桜場も分かってる
「もっと早くそうしてくれていたら・・お前も髪を切らずに済んだのに」
桜場は私の髪をそっとつまんだ
「いや、俺がもっとしっかりしていればよかったのにな」
桜場が責任を感じる事はないの
私が髪を切ったのはね。喉の奥まで出てきてゴクンと飲み込んだ
「桜場のせいじゃないよ。私の方こそしっかりしていたら」
「ほんっとに、まさにそれに尽きるよな。お前の天然に振り回されぱなっし。参るよ・・でも、何か困った事があったら言えよ。出来る範囲で助けるから、そう宣言したしな」
「宣言?」
「いや、お前には関係ない。俺、そろそろ部活に行くわ」
「う・・うん?」
かけていく背中を見送りながら、桜場にもお礼を言わなかった事に気付いた
結局私って・・ダメな子なんだなぁと自覚
「家に帰ろうかな」
狩野先輩のピアノも聴ける気分ではないし、もしかして・・もしかしてなんだけど、早く帰ってたら皇兄に会えるかもしれない
今日から、家に帰ってこないと言われたけど、着替えとか取りにくるかもしれないし、もう一度会って、『ごめんなさい』と言いたい
『ありがとう』とも
そして、家に帰って来てくれるのをお願いしてみよう