神様、僕に妹を下さい
Act.195 サイド晶(あきら)
「失恋なんて、してないです。そもそも恋自体していないので」
会長さんの腕を少しずつ外しながら、ソファの横にずれていく
「こーちゃんを見ると心臓が高鳴って、息が切れて苦しくなるんとちゃうか?」
私は返事の代わりに大きく首を横に振った
「そーか」
離れた距離が、あっという間に縮まり、腰を抱き寄せられ、顎をクイッと持ち上げられた
「ももがそう言うんなら、ええわ。俺も遠慮なく行かしてもらう。俺はあんたが好きや。これは前に伝えたな」
忘れていたわけではない。私は会長さんに『好きだ』と告白された
返事はまだ、していなくて・・・
「キスしてええか?いや、キスしたい」
腰にまわされた腕は、外れそうにない
「会えんかった数日間、胸がくるしゅうて、何も手につかんし、飯も喉に通らんかった。もしかして、こーちゃんとうまく行ったんやないかと考えたら、探すこともできんかった。臆病やろ俺」
顎に当てた会長さんの手が震えている
誰かが、誰かを好きになるのって、時に人を臆病にする
『誰かと付き合っちゃえば?』
昼間の、萌ちゃんの言葉が頭の中に響いた
女の子は、好きになった人より、好きになられた人と結ばれた方が幸せになれるって聞いたことがある
私は・・皇兄が好きだ
でも、それはきっと叶わない
他の男(ひと)を好きになったら、この気持ち忘れられる・・?
「私・・会長さんが思っている程、いい子じゃありません。バカだし、よく天然だって言われるし」
兄に恋したバカな妹
「会長さんに好きになっても貰えるような子じゃないんです」
「他に言いたいことは?全部聞いたら、俺はももにキス出来るん?」
「・・・」
私は少しうつむき目を閉じて、開いていた唇を軽く閉じる
「ももの初キス、俺に頂戴」
会長の声が優しく響き、体温が空気を通じて近付いてくるのを感じる
私の初・・キス
「お取り込み中悪いんだけど、ちょっといい?」
パチッと目を開けると、テーブルの前に沢村双葉が立っていた
「双葉!!」
会長さんが声を高くあげるが、彼女は気に留めるでもなく・・
「おにぎり、もらって行くわよ」
とテーブルの上のおにぎりを持って、隣の生徒会室へと消えて行った
会長さんの腕を少しずつ外しながら、ソファの横にずれていく
「こーちゃんを見ると心臓が高鳴って、息が切れて苦しくなるんとちゃうか?」
私は返事の代わりに大きく首を横に振った
「そーか」
離れた距離が、あっという間に縮まり、腰を抱き寄せられ、顎をクイッと持ち上げられた
「ももがそう言うんなら、ええわ。俺も遠慮なく行かしてもらう。俺はあんたが好きや。これは前に伝えたな」
忘れていたわけではない。私は会長さんに『好きだ』と告白された
返事はまだ、していなくて・・・
「キスしてええか?いや、キスしたい」
腰にまわされた腕は、外れそうにない
「会えんかった数日間、胸がくるしゅうて、何も手につかんし、飯も喉に通らんかった。もしかして、こーちゃんとうまく行ったんやないかと考えたら、探すこともできんかった。臆病やろ俺」
顎に当てた会長さんの手が震えている
誰かが、誰かを好きになるのって、時に人を臆病にする
『誰かと付き合っちゃえば?』
昼間の、萌ちゃんの言葉が頭の中に響いた
女の子は、好きになった人より、好きになられた人と結ばれた方が幸せになれるって聞いたことがある
私は・・皇兄が好きだ
でも、それはきっと叶わない
他の男(ひと)を好きになったら、この気持ち忘れられる・・?
「私・・会長さんが思っている程、いい子じゃありません。バカだし、よく天然だって言われるし」
兄に恋したバカな妹
「会長さんに好きになっても貰えるような子じゃないんです」
「他に言いたいことは?全部聞いたら、俺はももにキス出来るん?」
「・・・」
私は少しうつむき目を閉じて、開いていた唇を軽く閉じる
「ももの初キス、俺に頂戴」
会長の声が優しく響き、体温が空気を通じて近付いてくるのを感じる
私の初・・キス
「お取り込み中悪いんだけど、ちょっといい?」
パチッと目を開けると、テーブルの前に沢村双葉が立っていた
「双葉!!」
会長さんが声を高くあげるが、彼女は気に留めるでもなく・・
「おにぎり、もらって行くわよ」
とテーブルの上のおにぎりを持って、隣の生徒会室へと消えて行った