神様、僕に妹を下さい
Act.020 サイド晶(あきら)
そのざわめきはだんだん窓際に集まってきた
『2組の沢村双葉(さわむら ふたば)桜庭会長に正面門で告ってるぜ』
え・・・?
『マジ?双葉ちゃんも桜庭会長目当てかよ。俺ファンだったのに』
教室の窓からは正面門がはっきり見て取れる
そんな男子の声と共に、教室の窓際に男女問わず集まってきた
「晶も見なよ、今日は五十嵐先輩と一緒にいるから、なおさら目立つよ」
萌ちゃんの言葉に私も正面門を見る
萌ちゃんの言うとおり、皇兄は何処にいても目立つと思う
皇兄の前にはスラッとしたショートカットの女の子が立っていた
後ろ姿だから顔は見えないけど、彼女が沢村双葉さんなのだろう
皇兄と彼女の横を通学の生徒が、二人を気にしながら通り過ぎている
実際、皇兄に告白している所を見るのは初めてだけど、よくラブレターをもらっているのは知っていた
どういう返事をしているかは分からないけど、私の知る限り『OK』の返事をもらったという事は聞いたことがなかった
「勇気あるよね。皆見てるのに」
「うん」
萌ちゃんの言葉にうなづく
ほんとに、隣のクラスもみんな窓から覗いている
注目の的だよ。皇兄・・・
当の皇兄は周りを気にする様子は見られない
彼女に何か言っている皇兄の横を風が通り過ぎたみたいで、皇兄はゆっくり顔をあげた
「!」
皇兄と眼が合う・・・・?
門からは結構離れているし、気のせいだよね
でも、皇兄は彼女を見ることはなかった
私はそっと窓から離れる
「どうしたの?晶」
「別に。授業の準備でもしようかなーって思って」
鞄から教科書を取り出し、机の中にしまう
「皇紀先輩、付き合うのかな?」
萌ちゃんの質問に私は返事をせず、首を横に振った
「気にならないの?妹のくせに」
「萌ちゃん!」
シッと人差し指を口に当て、萌ちゃんを黙らせる
「大きな声で言わないでよ」
「ごめん。ごめん」
萌ちゃんはぺロッと舌を出して謝った
皇兄の妹だと言うことは、あまり知られていない
特に聞かれないからわざわざ言う必要もないでしょと萌ちゃんには言っているのだけれど・・・
『2組の沢村双葉(さわむら ふたば)桜庭会長に正面門で告ってるぜ』
え・・・?
『マジ?双葉ちゃんも桜庭会長目当てかよ。俺ファンだったのに』
教室の窓からは正面門がはっきり見て取れる
そんな男子の声と共に、教室の窓際に男女問わず集まってきた
「晶も見なよ、今日は五十嵐先輩と一緒にいるから、なおさら目立つよ」
萌ちゃんの言葉に私も正面門を見る
萌ちゃんの言うとおり、皇兄は何処にいても目立つと思う
皇兄の前にはスラッとしたショートカットの女の子が立っていた
後ろ姿だから顔は見えないけど、彼女が沢村双葉さんなのだろう
皇兄と彼女の横を通学の生徒が、二人を気にしながら通り過ぎている
実際、皇兄に告白している所を見るのは初めてだけど、よくラブレターをもらっているのは知っていた
どういう返事をしているかは分からないけど、私の知る限り『OK』の返事をもらったという事は聞いたことがなかった
「勇気あるよね。皆見てるのに」
「うん」
萌ちゃんの言葉にうなづく
ほんとに、隣のクラスもみんな窓から覗いている
注目の的だよ。皇兄・・・
当の皇兄は周りを気にする様子は見られない
彼女に何か言っている皇兄の横を風が通り過ぎたみたいで、皇兄はゆっくり顔をあげた
「!」
皇兄と眼が合う・・・・?
門からは結構離れているし、気のせいだよね
でも、皇兄は彼女を見ることはなかった
私はそっと窓から離れる
「どうしたの?晶」
「別に。授業の準備でもしようかなーって思って」
鞄から教科書を取り出し、机の中にしまう
「皇紀先輩、付き合うのかな?」
萌ちゃんの質問に私は返事をせず、首を横に振った
「気にならないの?妹のくせに」
「萌ちゃん!」
シッと人差し指を口に当て、萌ちゃんを黙らせる
「大きな声で言わないでよ」
「ごめん。ごめん」
萌ちゃんはぺロッと舌を出して謝った
皇兄の妹だと言うことは、あまり知られていない
特に聞かれないからわざわざ言う必要もないでしょと萌ちゃんには言っているのだけれど・・・