神様、僕に妹を下さい
Act.202 サイド晶(あきら)
「何もされてへんやろな?」
会長さんは私の目線の高さまで、腰を下ろすと、手の甲で頬をなぞった
「会長・・あぁ、生徒会長の事ね。通りで」
先輩は1人納得し、腕を組んだ
「五十嵐、2年のプレイボーイのお前がなんでここにいるんや?」
先輩の名前、五十嵐って言うんだ
五十嵐先輩は私に目線を送り、ふぅと目を細めた
「最近、1年でカワイイ子がいるって噂になってたんで見にきたんですよ」
え?どうしてそんな嘘をつくんだろう・・?
でも、見に来るだけなら調理室や食材を用意してくれるはずがない
「まさか、沢村会長の彼女だとは思いませんでした。じゃぁね。『もも』ちゃん」
軽く会釈をすると、五十嵐先輩は調理室を出て行く
「会長さんは、五十嵐先輩と友達じゃないんですか?」
「いいや」
そんな、私はてっきり五十嵐先輩は会長さんの為に、私に料理を作ってくれと頼みに来たのだと
「会長さんちょっとだけ、行かせてください」
そう言うと、五十嵐先輩の後を追った
「五十嵐先輩!」
「なーに?桜庭 晶チャン」
この人は、私の名前を知っていて、会長さんの前では『もも』と呼んだんだ
「ありがとうございました。まだ、ちゃんとお礼を言えてなくて」
「お礼?さぁ、なんの事だろう。俺わかんない」
私にはわかったの。五十嵐先輩が勘違いした『会長さん』が誰なのかを
「先輩、2年1組ですよね」
萌ちゃんから皇兄と一緒に五十嵐先輩の名前を聞いたことがある
この人は、皇兄と普段一緒にいる人なんだと
「さぁね。どうだったかな?」
「皇兄は元気ですか?」
そして、私が皇兄の妹だと知っている人。もしかすると、皇兄が家を出ている事も知っている人
「『皇兄』って皇紀の事呼んでんだ。あいつケチだから教えてくれなくて」
観念したかのように、先輩は話し出した
「私の違反が取り消されたのは、皇兄が助けてくれたんですよね」
「あぁ。でも、俺が言ったっていうのは内緒。君も内緒にしている事あるだろ」
「はい」
「早く、お互い真実を言いあう事が出来たらいいな。君も皇紀も」
「・・・」
何も言わない私に、五十嵐先輩は耳元でそっと呟いた
会長さんは私の目線の高さまで、腰を下ろすと、手の甲で頬をなぞった
「会長・・あぁ、生徒会長の事ね。通りで」
先輩は1人納得し、腕を組んだ
「五十嵐、2年のプレイボーイのお前がなんでここにいるんや?」
先輩の名前、五十嵐って言うんだ
五十嵐先輩は私に目線を送り、ふぅと目を細めた
「最近、1年でカワイイ子がいるって噂になってたんで見にきたんですよ」
え?どうしてそんな嘘をつくんだろう・・?
でも、見に来るだけなら調理室や食材を用意してくれるはずがない
「まさか、沢村会長の彼女だとは思いませんでした。じゃぁね。『もも』ちゃん」
軽く会釈をすると、五十嵐先輩は調理室を出て行く
「会長さんは、五十嵐先輩と友達じゃないんですか?」
「いいや」
そんな、私はてっきり五十嵐先輩は会長さんの為に、私に料理を作ってくれと頼みに来たのだと
「会長さんちょっとだけ、行かせてください」
そう言うと、五十嵐先輩の後を追った
「五十嵐先輩!」
「なーに?桜庭 晶チャン」
この人は、私の名前を知っていて、会長さんの前では『もも』と呼んだんだ
「ありがとうございました。まだ、ちゃんとお礼を言えてなくて」
「お礼?さぁ、なんの事だろう。俺わかんない」
私にはわかったの。五十嵐先輩が勘違いした『会長さん』が誰なのかを
「先輩、2年1組ですよね」
萌ちゃんから皇兄と一緒に五十嵐先輩の名前を聞いたことがある
この人は、皇兄と普段一緒にいる人なんだと
「さぁね。どうだったかな?」
「皇兄は元気ですか?」
そして、私が皇兄の妹だと知っている人。もしかすると、皇兄が家を出ている事も知っている人
「『皇兄』って皇紀の事呼んでんだ。あいつケチだから教えてくれなくて」
観念したかのように、先輩は話し出した
「私の違反が取り消されたのは、皇兄が助けてくれたんですよね」
「あぁ。でも、俺が言ったっていうのは内緒。君も内緒にしている事あるだろ」
「はい」
「早く、お互い真実を言いあう事が出来たらいいな。君も皇紀も」
「・・・」
何も言わない私に、五十嵐先輩は耳元でそっと呟いた