神様、僕に妹を下さい
Act.230 サイド皇紀(こうき)
「あんま、走ったら転ぶでー」
会長は、晶の後ろ姿に声をかけると、オレの質問を考えていた
「そや、思い出した。ももとは生徒指導室で会うたんや。ほら、双葉がケンカしたとかで呼び出された時があったやろ?あの双葉とケンカするってどんな女かと思ったら、ももやったんや」
「へぇ」
晶は、オレには顔の痣はバレーボールで顔面レシーブしたと言っていた
あの、嘘つき
「ケンカの原因は?」
「さぁ、双葉はまったく分からん言うし、最初に仕掛けたんはももらしいけど。ただ、双葉に『嘘つくのが悪い』って怒ったみたいやで」
晶は怒っても、殴り合いのケンカまで起こすという事は今までにない
双葉が・・ついたという嘘によっぽどの怒りを持ったのか?
「会長はそこで一目ぼれしたんですか」
「いや、最初はあのふわふわの茶髪姿がハムスターの『もも』に似てるなお思てな。からかい半分やったんやけど・・・」
会長はオレの顔を見た後、どんぐり飴の屋台でしゃがみ込んでいる晶を見た
「俺、ももはこーちゃんの事が好きやないかと思っとるんや」
「え?」
意外な会長の言葉に、俺は言葉が詰まる
晶がオレを?それは・・たぶんありえない
「好きやないと、出来へんやろ。画像を消す為に、自分の大事なものと引き換えにするやなんて」
画像・・画像って・・!
「こーちゃんのキスシーンの画像を消してほしいとあの子、公園でオレに頭下げたんや」
あのキスシーンの画像を晶が見ていた!!
画像の為に会長に頭を下げた・・だと?
でも、それは・・オレの事が好きと言うのではなく、オレがあいつの兄だから
「会長・・それは・・あいつはオレの」
晶は優しいから、兄のオレの為に頭を下げてくれただけで・・
「好きやなかったら、自分の初キスを画像なんかの為に捧げようとはせぇへんやろ」
なんだと!?
何て言った!?
「会長、晶に・・いや、ももさんにいったい何を言ったんですか?」
いったい晶に何をさせようとしたんだ?
「あん時は俺もどうかしていたんやと思う。ももがあまりにも真剣だから、画像を消す代わりに、あの子が出来ない条件を出したんや。ももから俺にキスしてと」
晶・・お前・・・なんて事を
今すぐ殺したい
会長ではなく、自分自身を・・
晶にそんな選択肢をさせた自分が許せなかった
「会長、それで晶は・・」
「オニイチャン!リンゴ飴買ってー!細かいお金持って来てないの!」
双葉の声が震えるオレの言葉をかき消した
この続きは、会長からでなく晶から聞かなくてはならない
「なんや、しゃぁないなあいつ。こーちゃん、ももが何処にもいかんように見とってや」
会長は下駄を鳴らしながら、双葉の方へと歩いて行った
会長は、晶の後ろ姿に声をかけると、オレの質問を考えていた
「そや、思い出した。ももとは生徒指導室で会うたんや。ほら、双葉がケンカしたとかで呼び出された時があったやろ?あの双葉とケンカするってどんな女かと思ったら、ももやったんや」
「へぇ」
晶は、オレには顔の痣はバレーボールで顔面レシーブしたと言っていた
あの、嘘つき
「ケンカの原因は?」
「さぁ、双葉はまったく分からん言うし、最初に仕掛けたんはももらしいけど。ただ、双葉に『嘘つくのが悪い』って怒ったみたいやで」
晶は怒っても、殴り合いのケンカまで起こすという事は今までにない
双葉が・・ついたという嘘によっぽどの怒りを持ったのか?
「会長はそこで一目ぼれしたんですか」
「いや、最初はあのふわふわの茶髪姿がハムスターの『もも』に似てるなお思てな。からかい半分やったんやけど・・・」
会長はオレの顔を見た後、どんぐり飴の屋台でしゃがみ込んでいる晶を見た
「俺、ももはこーちゃんの事が好きやないかと思っとるんや」
「え?」
意外な会長の言葉に、俺は言葉が詰まる
晶がオレを?それは・・たぶんありえない
「好きやないと、出来へんやろ。画像を消す為に、自分の大事なものと引き換えにするやなんて」
画像・・画像って・・!
「こーちゃんのキスシーンの画像を消してほしいとあの子、公園でオレに頭下げたんや」
あのキスシーンの画像を晶が見ていた!!
画像の為に会長に頭を下げた・・だと?
でも、それは・・オレの事が好きと言うのではなく、オレがあいつの兄だから
「会長・・それは・・あいつはオレの」
晶は優しいから、兄のオレの為に頭を下げてくれただけで・・
「好きやなかったら、自分の初キスを画像なんかの為に捧げようとはせぇへんやろ」
なんだと!?
何て言った!?
「会長、晶に・・いや、ももさんにいったい何を言ったんですか?」
いったい晶に何をさせようとしたんだ?
「あん時は俺もどうかしていたんやと思う。ももがあまりにも真剣だから、画像を消す代わりに、あの子が出来ない条件を出したんや。ももから俺にキスしてと」
晶・・お前・・・なんて事を
今すぐ殺したい
会長ではなく、自分自身を・・
晶にそんな選択肢をさせた自分が許せなかった
「会長、それで晶は・・」
「オニイチャン!リンゴ飴買ってー!細かいお金持って来てないの!」
双葉の声が震えるオレの言葉をかき消した
この続きは、会長からでなく晶から聞かなくてはならない
「なんや、しゃぁないなあいつ。こーちゃん、ももが何処にもいかんように見とってや」
会長は下駄を鳴らしながら、双葉の方へと歩いて行った