神様、僕に妹を下さい
Act.234 サイド晶(あきら)
「もも遅~い」
双葉さんは両手にリンゴ飴を持って、口を尖らせた
「ごめんなさい。飴を選ぶのに戸惑っちゃって」
袋に入ったどんぐり飴を見せながら、私は答えた
「ちょっと、皇紀先輩は何処?」
「もうすぐ来ると思いますよ。さっきまで一緒の屋台にいましたから」
「あんた、皇紀先輩と一緒だったの!?」
双葉さんがリンゴ飴を振りかざした
「あの」
勢いに押される私と双葉さんの間に、会長さんが割って入った
「俺がこーちゃんにももを見とってって頼んだんや。お前が勝手にリンゴ飴を買いに行くのが悪いんやろ。はい、お土産」
そう言って、イチゴ飴が差し出された
「わぁ、ありがとうございます」
飴を受け取っていると、双葉さんが皇兄の姿を見つけたらしく、スキップしながらかけて行く
「カワイイ」
イチゴ飴を色んな角度から見ている私の頬を、会長さんの甲が触れた
「どうかしました?」
「こーちゃんと話すこと出来たか?」
「えっ?」
もしかして、会長さんはわざと皇兄と私を2人きりにしたの・・?
どうして?
「俺、ついな口滑らしてしもうたんや。ももはこーちゃんの事を好きなんやって」
「・・・」
「はぁ、だめやな。折角ももが俺と付き合ってくれとるのに、どこかで信じてないっちゅう事やろ」
会長さんはしゃがみ込むとウチワで顔を隠す
「ももとこーちゃんが親しそうにしてるのを見とったら、苦しくなって、『もも~』って叫んでしまっとった。ごめんな」
会長さんは、こんなに、私の事を想ってくれている
その気持ちに私もちゃんと応えてあげないと
「そんなに、落ち込まないで下さい。会長さんらしくありませんよ」
スカートの裾をつまみ、会長さんの前に座り込む
「せやかて」
「呼んでくれてよかったです。もう、話す事もなくて困ってたの。顔上げて下さいってば」
私と皇兄が兄妹だと言う事を、伝えなければ
「会長さん!」
会長さんからウチワを取り上げた
「私、ずっと黙っていた事があってー」
ポテッと私の頭の上に柔らかい物体が乗っかった
「?」
手で、物体を掴むとそれは黒皮の財布
「晶、これで双葉と一緒に缶コーヒー買ってきてくれないか」
見上げると、双葉さんを指差した皇兄が立っていた
双葉さんは両手にリンゴ飴を持って、口を尖らせた
「ごめんなさい。飴を選ぶのに戸惑っちゃって」
袋に入ったどんぐり飴を見せながら、私は答えた
「ちょっと、皇紀先輩は何処?」
「もうすぐ来ると思いますよ。さっきまで一緒の屋台にいましたから」
「あんた、皇紀先輩と一緒だったの!?」
双葉さんがリンゴ飴を振りかざした
「あの」
勢いに押される私と双葉さんの間に、会長さんが割って入った
「俺がこーちゃんにももを見とってって頼んだんや。お前が勝手にリンゴ飴を買いに行くのが悪いんやろ。はい、お土産」
そう言って、イチゴ飴が差し出された
「わぁ、ありがとうございます」
飴を受け取っていると、双葉さんが皇兄の姿を見つけたらしく、スキップしながらかけて行く
「カワイイ」
イチゴ飴を色んな角度から見ている私の頬を、会長さんの甲が触れた
「どうかしました?」
「こーちゃんと話すこと出来たか?」
「えっ?」
もしかして、会長さんはわざと皇兄と私を2人きりにしたの・・?
どうして?
「俺、ついな口滑らしてしもうたんや。ももはこーちゃんの事を好きなんやって」
「・・・」
「はぁ、だめやな。折角ももが俺と付き合ってくれとるのに、どこかで信じてないっちゅう事やろ」
会長さんはしゃがみ込むとウチワで顔を隠す
「ももとこーちゃんが親しそうにしてるのを見とったら、苦しくなって、『もも~』って叫んでしまっとった。ごめんな」
会長さんは、こんなに、私の事を想ってくれている
その気持ちに私もちゃんと応えてあげないと
「そんなに、落ち込まないで下さい。会長さんらしくありませんよ」
スカートの裾をつまみ、会長さんの前に座り込む
「せやかて」
「呼んでくれてよかったです。もう、話す事もなくて困ってたの。顔上げて下さいってば」
私と皇兄が兄妹だと言う事を、伝えなければ
「会長さん!」
会長さんからウチワを取り上げた
「私、ずっと黙っていた事があってー」
ポテッと私の頭の上に柔らかい物体が乗っかった
「?」
手で、物体を掴むとそれは黒皮の財布
「晶、これで双葉と一緒に缶コーヒー買ってきてくれないか」
見上げると、双葉さんを指差した皇兄が立っていた