神様、僕に妹を下さい
Act.242 サイド皇紀(こうき)
晶がもうすぐ、戻ってくる
「会長、晶を本当に宜しくお願いします」
オレは再度頭を下げた
これで、いいんだよな
「こーちゃん、十分わかったから、顔あげて」
会長の言葉に、ゆっくりと顔を上げた
「それと、あいつが嘘をついた事、責めないでやって下さい。オレがあいつに嘘をつかせるような事をしたんです」
ごめんな。晶
お前が名乗らなかったのは、オレが『顔もみたくない』と言ったのを忠実に守ったからなんだよな
名乗ったら、必然的にオレの耳に入ってくるのを恐れて
嘘をつかせて、ごめんな
「じゃぁ、帰ってきたみたいですし、オレは退散します」
「せっかく、兄妹やって分かったんやし、一緒に回ればええやないか」
そこを言って、すぐ切り替えれるほど、オレは大人じゃない
「会長、忘れたんですか?晶と仲直り出来たら、双葉と消えてほしいって言っていたでしょう」
「せやけど・・」
申し訳なさそうに、言葉に詰まる会長に詰め寄り、肩に手をかけ耳元で囁く
「本当にいいんですか?どうやらオレ、彼女が出来なくて、かわいい妹を引き連れまわす兄らしいので、ホントにそうしますよ」
「なっ・・!」
会長の顔が紅潮したのを見て、五十嵐並の悪戯な笑顔を作る
「はい、はい。オレもお邪魔虫にはなりたくありませんので」
くるりと会長に背を向け、片手をあげる
「その代わりに、会長の妹さん借りますよ」
捨て台詞を残し、晶に向って歩き出す
あきら・・・・晶・・・あきら・・
心の中で何回も叫ぶ
目を閉じていても、こんな雑踏の中でも、1歩、1歩近づいてくるあいつの足音が分かるのはなぜだろう?
ほら、もう目を開ければ手の届く距離に晶がいる
「缶コーヒー、サンキュ。双葉、行くぞ」
不思議そうな顔をしている晶から、缶コーヒーを受け取ると、双葉を促して人込みの中をすり抜ける
「皇紀先輩、先輩てばっ、待ってください!!」
キーンとした超音波の声が空に響いて、立ち止まった
そうだ。双葉が一緒だったのを忘れていた
後ろを振り向くと、黒髪の頭がジグザグに人を掻き分けて、こっちに向ってくるのが見えた
「はぁ、はぁ、はぁ。ひどい、先輩」
息を切らし、しゃがみ込んだ双葉を見て、思わず笑っていた
「会長、晶を本当に宜しくお願いします」
オレは再度頭を下げた
これで、いいんだよな
「こーちゃん、十分わかったから、顔あげて」
会長の言葉に、ゆっくりと顔を上げた
「それと、あいつが嘘をついた事、責めないでやって下さい。オレがあいつに嘘をつかせるような事をしたんです」
ごめんな。晶
お前が名乗らなかったのは、オレが『顔もみたくない』と言ったのを忠実に守ったからなんだよな
名乗ったら、必然的にオレの耳に入ってくるのを恐れて
嘘をつかせて、ごめんな
「じゃぁ、帰ってきたみたいですし、オレは退散します」
「せっかく、兄妹やって分かったんやし、一緒に回ればええやないか」
そこを言って、すぐ切り替えれるほど、オレは大人じゃない
「会長、忘れたんですか?晶と仲直り出来たら、双葉と消えてほしいって言っていたでしょう」
「せやけど・・」
申し訳なさそうに、言葉に詰まる会長に詰め寄り、肩に手をかけ耳元で囁く
「本当にいいんですか?どうやらオレ、彼女が出来なくて、かわいい妹を引き連れまわす兄らしいので、ホントにそうしますよ」
「なっ・・!」
会長の顔が紅潮したのを見て、五十嵐並の悪戯な笑顔を作る
「はい、はい。オレもお邪魔虫にはなりたくありませんので」
くるりと会長に背を向け、片手をあげる
「その代わりに、会長の妹さん借りますよ」
捨て台詞を残し、晶に向って歩き出す
あきら・・・・晶・・・あきら・・
心の中で何回も叫ぶ
目を閉じていても、こんな雑踏の中でも、1歩、1歩近づいてくるあいつの足音が分かるのはなぜだろう?
ほら、もう目を開ければ手の届く距離に晶がいる
「缶コーヒー、サンキュ。双葉、行くぞ」
不思議そうな顔をしている晶から、缶コーヒーを受け取ると、双葉を促して人込みの中をすり抜ける
「皇紀先輩、先輩てばっ、待ってください!!」
キーンとした超音波の声が空に響いて、立ち止まった
そうだ。双葉が一緒だったのを忘れていた
後ろを振り向くと、黒髪の頭がジグザグに人を掻き分けて、こっちに向ってくるのが見えた
「はぁ、はぁ、はぁ。ひどい、先輩」
息を切らし、しゃがみ込んだ双葉を見て、思わず笑っていた