神様、僕に妹を下さい
Act.246 サイド皇紀(こうき)
「次は広島焼き。あっ、今川焼きも!」
カラカラと下駄を鳴らし、双葉は屋台のハシゴをしていた
背が高いから、見失うことはない
「お前、さっきもそれ、食べただろ」
呆れながら、広島焼きを指差すと
「さっきのは、関西風お好み焼きです」
と答えが返ってきた。そして、今川焼きへと移動する
行きたい所に付き合ってやるとは言ったが、食べ物を見つける度に、立ち止まられたのではオレの身が持たない
「いい加減にしろよ」
明日の朝、腹が痛くなっても知らないからな
「はふ、はふ。今日は、私の失恋記念日なんです。最後まで付き合ってもらいます」
失恋記念日ね
オレの失恋記念日でもあるな
「オレにもひとつくれよ」
双葉の横から、手を伸ばし、たこ焼きをつまむと口の中に頬張る
たこが入ってない上に、中まで火が通っていない
オレが渋い顔をしていると、クスクスと双葉が笑った
「先輩って、どんな表情も絵になりますよね。私、2番目で構いませんから、付き合ってもらえません?」
「だめ」
「はーぁ。先輩の心を射止める人って、どんな人なんだろ。美人ですか?」
目がクリッとしていて、どっちかと言えば可愛い方だな
「頭が良いとか」
頭?悪いとも言えないが、鈍いな
「運動神経抜群だとか」
転ぶのに、世界選手権があったらトップだな
「もういいだろ。詮索しなくても」
「だって、何か考えてないと思い浮かぶんだもの。デレ~としたオニイチャンの顔。きっと、ニコニコで『もも』と・・いや、晶さんといるのよ」
双葉は綿菓子に噛り付いた
この、境内のどこかに晶が・・・・
『皇兄!見て、浴衣の帯と同じ色のリボンにしたんだよ』
クルリ方向転換し、晶は髪につけた黄色いリボンを見せる
『あまり、走るなよ』
オレの注意も聞かず、晶は小さい身体を生かして、人ごみの中をすり抜けていく
目印は、髪に翳した黄色いリボン
黄色いリボン
「皇紀先輩!?」
双葉に、腕の袖を引っ張られ、我に帰る
「突然どうしたんですか?あんな小さい子の後を追いかけて?」
見ると、黄色いリボンをつけた女の子が、母親の手に引かれて歩いて行く
そして、オレの前に、キラキラ光るガラス細工の屋台が現れた
カラカラと下駄を鳴らし、双葉は屋台のハシゴをしていた
背が高いから、見失うことはない
「お前、さっきもそれ、食べただろ」
呆れながら、広島焼きを指差すと
「さっきのは、関西風お好み焼きです」
と答えが返ってきた。そして、今川焼きへと移動する
行きたい所に付き合ってやるとは言ったが、食べ物を見つける度に、立ち止まられたのではオレの身が持たない
「いい加減にしろよ」
明日の朝、腹が痛くなっても知らないからな
「はふ、はふ。今日は、私の失恋記念日なんです。最後まで付き合ってもらいます」
失恋記念日ね
オレの失恋記念日でもあるな
「オレにもひとつくれよ」
双葉の横から、手を伸ばし、たこ焼きをつまむと口の中に頬張る
たこが入ってない上に、中まで火が通っていない
オレが渋い顔をしていると、クスクスと双葉が笑った
「先輩って、どんな表情も絵になりますよね。私、2番目で構いませんから、付き合ってもらえません?」
「だめ」
「はーぁ。先輩の心を射止める人って、どんな人なんだろ。美人ですか?」
目がクリッとしていて、どっちかと言えば可愛い方だな
「頭が良いとか」
頭?悪いとも言えないが、鈍いな
「運動神経抜群だとか」
転ぶのに、世界選手権があったらトップだな
「もういいだろ。詮索しなくても」
「だって、何か考えてないと思い浮かぶんだもの。デレ~としたオニイチャンの顔。きっと、ニコニコで『もも』と・・いや、晶さんといるのよ」
双葉は綿菓子に噛り付いた
この、境内のどこかに晶が・・・・
『皇兄!見て、浴衣の帯と同じ色のリボンにしたんだよ』
クルリ方向転換し、晶は髪につけた黄色いリボンを見せる
『あまり、走るなよ』
オレの注意も聞かず、晶は小さい身体を生かして、人ごみの中をすり抜けていく
目印は、髪に翳した黄色いリボン
黄色いリボン
「皇紀先輩!?」
双葉に、腕の袖を引っ張られ、我に帰る
「突然どうしたんですか?あんな小さい子の後を追いかけて?」
見ると、黄色いリボンをつけた女の子が、母親の手に引かれて歩いて行く
そして、オレの前に、キラキラ光るガラス細工の屋台が現れた