神様、僕に妹を下さい
Act.251 サイド晶(あきら)
「えっ!」
水色のパスケースを出された時、皇兄が驚きの声を上げたのを私は聞き逃さなかった
皇兄は、目を見開き、数秒パスケースを見ると私の方に目を落とした
「皇兄・・これは・・」
どうしよう。何て言おう
勝手に持ち出して、人にあげてしまったんだもの
皇兄、怒ったかもしれない
「あの・・ごめ・・」
謝ろうとする私の横を通り過ぎ、皇兄は会長さんの持つパスケースを覗き込んだ
「それ、写真写りの悪いこいつにしては、結構よく撮れてるでしょう」
皇兄は目を細めながら、写真を写した時の状況を会長さんに説明していた
「こいつ、入学式に遅刻するって言ってるのに、すみれの花を見つけて、しゃがみ込んで動かないんですよ。なぁ、覚えてるか晶?」
「さ・・さぁ」
話は私に振られたが、私はそれしか答えることが出来なかった
水色パスケースを見ても、皇兄の表情も仕草も、口調も変わっていない
意味なんてなかったんだ・・
枕の下に私の写真を置いていたから勝手な想像してた
もしかして、皇兄は・・って
皇兄にとっては、なんの意味もないこと
すみれの花言葉も・・なにもかも
良かった。尋ねなくて
写真の意味や、すみれの花言葉の意味を・・ただの気まぐれだと言われたら、もっと傷ついてた
「何よ、そんな写真。私なんて、そんな物より素敵なもの皇紀先輩にもらったのよ」
一緒に写真を覗いた双葉さんが、胸を張って会長さんに詰め寄っていた
「キスよ。キス。キスしてもらったの」
ドクン
双葉さんの言葉に、私の心臓が高鳴りだす
皇兄・・が双葉さんとキス!!
やめて、聞きたくない
「誤解を招くことを言うな。額にしただけだろ」
皇兄の手が双葉さんの頭を叩く
「ほっぺにもしました」
と少し膨れて双葉さんが皇兄を見ている
2人の会話は、まるで仲の良い恋人同士みたいで、聞きたくないのに耳の中に入ってくる
「それなら、こっちも負けてへんよな。晶」
「えっ!?」
会長さんの片腕が腰に伸びてきて、引き寄せられると、耳にかかった髪をかきあげられた
まさか・・だめ・・
ゾクゾクと鳥肌が背中に立ってくるのを感じる
会長さんは、私の弱点が耳だと言うことを知らない
水色のパスケースを出された時、皇兄が驚きの声を上げたのを私は聞き逃さなかった
皇兄は、目を見開き、数秒パスケースを見ると私の方に目を落とした
「皇兄・・これは・・」
どうしよう。何て言おう
勝手に持ち出して、人にあげてしまったんだもの
皇兄、怒ったかもしれない
「あの・・ごめ・・」
謝ろうとする私の横を通り過ぎ、皇兄は会長さんの持つパスケースを覗き込んだ
「それ、写真写りの悪いこいつにしては、結構よく撮れてるでしょう」
皇兄は目を細めながら、写真を写した時の状況を会長さんに説明していた
「こいつ、入学式に遅刻するって言ってるのに、すみれの花を見つけて、しゃがみ込んで動かないんですよ。なぁ、覚えてるか晶?」
「さ・・さぁ」
話は私に振られたが、私はそれしか答えることが出来なかった
水色パスケースを見ても、皇兄の表情も仕草も、口調も変わっていない
意味なんてなかったんだ・・
枕の下に私の写真を置いていたから勝手な想像してた
もしかして、皇兄は・・って
皇兄にとっては、なんの意味もないこと
すみれの花言葉も・・なにもかも
良かった。尋ねなくて
写真の意味や、すみれの花言葉の意味を・・ただの気まぐれだと言われたら、もっと傷ついてた
「何よ、そんな写真。私なんて、そんな物より素敵なもの皇紀先輩にもらったのよ」
一緒に写真を覗いた双葉さんが、胸を張って会長さんに詰め寄っていた
「キスよ。キス。キスしてもらったの」
ドクン
双葉さんの言葉に、私の心臓が高鳴りだす
皇兄・・が双葉さんとキス!!
やめて、聞きたくない
「誤解を招くことを言うな。額にしただけだろ」
皇兄の手が双葉さんの頭を叩く
「ほっぺにもしました」
と少し膨れて双葉さんが皇兄を見ている
2人の会話は、まるで仲の良い恋人同士みたいで、聞きたくないのに耳の中に入ってくる
「それなら、こっちも負けてへんよな。晶」
「えっ!?」
会長さんの片腕が腰に伸びてきて、引き寄せられると、耳にかかった髪をかきあげられた
まさか・・だめ・・
ゾクゾクと鳥肌が背中に立ってくるのを感じる
会長さんは、私の弱点が耳だと言うことを知らない