神様、僕に妹を下さい
Act.255 サイド晶(あきら)
「皇兄・・」
気が付いた時、私は皇兄の腕に抱かれていた
『大丈夫か?』と皇兄の目が語っており、私は笑顔で返した
私の弱点である耳を、会長さんに触れられそうになった時、恐くて、助けてほしくて、私は腕を伸ばした
会長さんの吐息が、耳に覆いかぶさって、鳥肌が立ち意識が崩れる寸前、皇兄の手が私の腕を掴んで、救い出してくれた
皇兄・・皇兄・・・
このまま、時間が止まればいいのに
「なーんや。すごい妬ける」
「ほんと、ほんと」
会長さんが腕を組んでプクッと頬を膨らまし、双葉さんがその横で相槌をうっていた
「あぁ、悪い」
皇兄は、私から急いで目線を逸らすと、地面に立たせた私から離れた
「こーちゃん!」
会長さんが、皇兄の首に腕を回した
「今から、そんなんやったら、身がもたへんよ。早う妹離れせんと」
妹離れ・・
その言葉が、ズキンと響く
「何、言ってるんですか。生徒会長がこんな公衆の面前であんな事をして、誰が見ているか分からないんですよ。場所をわきまえて下さい」
皇兄は、首に回された会長の腕を引き離しながら、副会長の立場として答えていた
そっか
皇兄は、私を助けてくれた訳じゃなくて、会長さんの立場を考えての行動だったんだ
でも・・腕にのこる・・皇兄の温もり
私を会長さんの腕から、『晶!』て叫んで救い出してくれたくれたあの言葉を信じたい
「場所わきまえれやて。相変わらず固いし。家でもこーちゃんは、あぁなんか晶?」
「えーと・・」
「くだらない事、晶に聞かないで下さい。オレ、失礼しますよ」
皇兄が肩をすくめ、呆れた様に言う
やだ・・皇兄が行っちゃう
「なら、俺らは神社に参拝に行こか。ここの神社縁結びの神様らしいんや」
会長さんは私の左手を握った
皇兄・・もう少し一緒にいたい
「こ・・皇兄も一緒に行こ」
勇気を出して、言ってみた
「ほ・・ほら、双葉さんと、行ったらどうかなーって」
言って、皇兄と双葉さんの顔を交互に見る
「皇紀先輩、私達も行きましょ。行きましょ」
双葉さんが、甘えた声で皇兄の右腕をとった
「・・・わかったよ」
皇兄はため息混じりに、うなづく
よかった
どんな形にしろ、もう少し皇兄と一緒にいられる
気が付いた時、私は皇兄の腕に抱かれていた
『大丈夫か?』と皇兄の目が語っており、私は笑顔で返した
私の弱点である耳を、会長さんに触れられそうになった時、恐くて、助けてほしくて、私は腕を伸ばした
会長さんの吐息が、耳に覆いかぶさって、鳥肌が立ち意識が崩れる寸前、皇兄の手が私の腕を掴んで、救い出してくれた
皇兄・・皇兄・・・
このまま、時間が止まればいいのに
「なーんや。すごい妬ける」
「ほんと、ほんと」
会長さんが腕を組んでプクッと頬を膨らまし、双葉さんがその横で相槌をうっていた
「あぁ、悪い」
皇兄は、私から急いで目線を逸らすと、地面に立たせた私から離れた
「こーちゃん!」
会長さんが、皇兄の首に腕を回した
「今から、そんなんやったら、身がもたへんよ。早う妹離れせんと」
妹離れ・・
その言葉が、ズキンと響く
「何、言ってるんですか。生徒会長がこんな公衆の面前であんな事をして、誰が見ているか分からないんですよ。場所をわきまえて下さい」
皇兄は、首に回された会長の腕を引き離しながら、副会長の立場として答えていた
そっか
皇兄は、私を助けてくれた訳じゃなくて、会長さんの立場を考えての行動だったんだ
でも・・腕にのこる・・皇兄の温もり
私を会長さんの腕から、『晶!』て叫んで救い出してくれたくれたあの言葉を信じたい
「場所わきまえれやて。相変わらず固いし。家でもこーちゃんは、あぁなんか晶?」
「えーと・・」
「くだらない事、晶に聞かないで下さい。オレ、失礼しますよ」
皇兄が肩をすくめ、呆れた様に言う
やだ・・皇兄が行っちゃう
「なら、俺らは神社に参拝に行こか。ここの神社縁結びの神様らしいんや」
会長さんは私の左手を握った
皇兄・・もう少し一緒にいたい
「こ・・皇兄も一緒に行こ」
勇気を出して、言ってみた
「ほ・・ほら、双葉さんと、行ったらどうかなーって」
言って、皇兄と双葉さんの顔を交互に見る
「皇紀先輩、私達も行きましょ。行きましょ」
双葉さんが、甘えた声で皇兄の右腕をとった
「・・・わかったよ」
皇兄はため息混じりに、うなづく
よかった
どんな形にしろ、もう少し皇兄と一緒にいられる