神様、僕に妹を下さい
Act.269 サイド皇紀(こうき)
ガラス細工の事などどうでもいい
なんで、晶がここに独りでいるのか?
会長はどうしたんだ?
聞きたい事が幾つもあるが、今は晶の身体の方が心配だ
「とにかく、早くここから移動するぞ。来い」
晶の腕を掴もうと手を伸ばすが、するりと交わされた
「晶!」
「あのね。おたまじゃくしは大丈夫なんだけど、かえるの方が足が欠けちゃってて、でもほんのちょっとだけだし、これはこれで愛嬌があるっていうか」
こいつ、何言ってる?
ガラス細工など、この際どうでもいいだろ?
もっと、自分の身体を心配しろよ
「わかった。それは後から見るから、とにかく今はー」
「よくない。大事なものでしょう。大事なもの・・だよね?」
晶は首をかしげ、オレを見つめる
ポタポタとまつ毛からも雫が落ちていた
「あぁ、大事だ。大事なものだ」
オレは、晶の脇を掴み、抱き上げた
晶の身体が微かに熱い
「大事なものだから、お前と一緒に連れ帰る。行くぞ」
雨も小雨になって来た。行くのなら今だ
「大事・・?」
晶は抱き上げられながら、呟いた
「・・たくない。私、帰りたくない」
晶は足をバタつかせ、身体をねじらせると、オレの腕から抜け出した
「晶!ワガママ言うんじゃない!!」
オレの怒鳴り声と同時に、ドシャ降りの雨が、オレ達2人に直撃する
「帰るぞ!」
「嫌!」
雨の中で、オレ達の攻防が続く
晶にこんなに抵抗されるとは・・
蕁麻疹は現れていないが、そんなにオレの事が嫌なのか・・?
もうオレは、兄としてお前を心配することも許されないのか・・?
「わかった、好きにしろ。いったい、お前はどうしたいんだ?」
晶は頑として動こうとしない為、オレから折れるしかなかった
「帰りたくないなら、何処に行きたい?」
せめて、雨がかからない所にしてくれ。お前の身体が心配なんだ
「雨・・雨宿りが出来るとこ」
晶は、オレの後ろを指差した
そこは、神主達が控え室に利用している小屋
とりあえず、雨が凌げるのなら・・なにより、晶がこの小屋なら雨宿りしても言いというのだ。今は従うしかない
小屋の中に入り、パタンと引き戸を閉める
しばらくすると、暗闇の中に、妖精の様な晶の姿が浮かび出していた
なんで、晶がここに独りでいるのか?
会長はどうしたんだ?
聞きたい事が幾つもあるが、今は晶の身体の方が心配だ
「とにかく、早くここから移動するぞ。来い」
晶の腕を掴もうと手を伸ばすが、するりと交わされた
「晶!」
「あのね。おたまじゃくしは大丈夫なんだけど、かえるの方が足が欠けちゃってて、でもほんのちょっとだけだし、これはこれで愛嬌があるっていうか」
こいつ、何言ってる?
ガラス細工など、この際どうでもいいだろ?
もっと、自分の身体を心配しろよ
「わかった。それは後から見るから、とにかく今はー」
「よくない。大事なものでしょう。大事なもの・・だよね?」
晶は首をかしげ、オレを見つめる
ポタポタとまつ毛からも雫が落ちていた
「あぁ、大事だ。大事なものだ」
オレは、晶の脇を掴み、抱き上げた
晶の身体が微かに熱い
「大事なものだから、お前と一緒に連れ帰る。行くぞ」
雨も小雨になって来た。行くのなら今だ
「大事・・?」
晶は抱き上げられながら、呟いた
「・・たくない。私、帰りたくない」
晶は足をバタつかせ、身体をねじらせると、オレの腕から抜け出した
「晶!ワガママ言うんじゃない!!」
オレの怒鳴り声と同時に、ドシャ降りの雨が、オレ達2人に直撃する
「帰るぞ!」
「嫌!」
雨の中で、オレ達の攻防が続く
晶にこんなに抵抗されるとは・・
蕁麻疹は現れていないが、そんなにオレの事が嫌なのか・・?
もうオレは、兄としてお前を心配することも許されないのか・・?
「わかった、好きにしろ。いったい、お前はどうしたいんだ?」
晶は頑として動こうとしない為、オレから折れるしかなかった
「帰りたくないなら、何処に行きたい?」
せめて、雨がかからない所にしてくれ。お前の身体が心配なんだ
「雨・・雨宿りが出来るとこ」
晶は、オレの後ろを指差した
そこは、神主達が控え室に利用している小屋
とりあえず、雨が凌げるのなら・・なにより、晶がこの小屋なら雨宿りしても言いというのだ。今は従うしかない
小屋の中に入り、パタンと引き戸を閉める
しばらくすると、暗闇の中に、妖精の様な晶の姿が浮かび出していた