神様、僕に妹を下さい
Act.027 サイド晶(あきら)
ピアノは軽やかなテンポの曲から始まりやがて、スローバラードの曲へと移っていく
「あのチーズケーキ、手作り?」
3曲目の静かな曲に入った時、彼は弾きながら語りかけてきた
「はっ、はい。昨日作りました」
不意に話かけられたので、びっくりして声が裏返ってしまった
まさか?まずかったとか?
「美味しくなかったですか?」
「いや、お店で売ってたのと同じくらい美味しかったから、聞いてみた」
思ってもいない誉め言葉に目を丸くする
「誰かに作り方教わったの?」
「いえ、本を見て作りました。ただ、皇・・いや、兄に味見してもらって、その採点がまた厳しくって。あっ、でも今回は最高点だったんですよ」
息継ぎもせず、一気に話まくっていた
「クスクスクス」
彼は肩を震わせながら笑い、弾く手を止める
まずったかな?喋りすぎた?
「まだ、名前聞いてなかったね。僕は、2年の狩野 響(かのう ひびき)君は?1年だよ・・ね?」
2年って、皇兄と一緒だ
「1年4組 桜庭 晶です」
「あきら・・?」
「男の子みたいな名前だって思いますよね。文字だけを見た人は最初は男の子だと思うみたいで」
今だから慣れたものの、幼い頃は微妙に傷ついたものだ
「僕の名前も女の子に良く間違われたから、わかるよ。その気持ち」
そう言って、狩野先輩は私の席の前に歩いてきて、右手を出した
「これから、ヨロシク。晶ちゃん」
私も右手を差し出して握手した
長い指。私の指が全部隠れちゃったよ
「こちらこそ、宜しくお願いします。狩野先輩」
「響でいいよ」
呼び捨てはさすがに出来ないよ
「じゃぁ、響先輩でいいですか?」
「OK」
「あの、図々しいと思うんですがリクエストしていいですか?」
ピアノの曲を聴いている間に、弾いてもらい曲が2曲思い浮かんでいた
「いいよ。僕が知ってる曲だったらいいんだけど」
響先輩はピアノの前に座る
「中3の音楽の授業で習った『モルダウ』とディズニーの『星に願いを』をお願いします」
「2曲とも、僕の好きな曲だよ」
静かな音楽室に優しくモルダウが流れはじめた頃、19:00が過ぎ様としていた
「あのチーズケーキ、手作り?」
3曲目の静かな曲に入った時、彼は弾きながら語りかけてきた
「はっ、はい。昨日作りました」
不意に話かけられたので、びっくりして声が裏返ってしまった
まさか?まずかったとか?
「美味しくなかったですか?」
「いや、お店で売ってたのと同じくらい美味しかったから、聞いてみた」
思ってもいない誉め言葉に目を丸くする
「誰かに作り方教わったの?」
「いえ、本を見て作りました。ただ、皇・・いや、兄に味見してもらって、その採点がまた厳しくって。あっ、でも今回は最高点だったんですよ」
息継ぎもせず、一気に話まくっていた
「クスクスクス」
彼は肩を震わせながら笑い、弾く手を止める
まずったかな?喋りすぎた?
「まだ、名前聞いてなかったね。僕は、2年の狩野 響(かのう ひびき)君は?1年だよ・・ね?」
2年って、皇兄と一緒だ
「1年4組 桜庭 晶です」
「あきら・・?」
「男の子みたいな名前だって思いますよね。文字だけを見た人は最初は男の子だと思うみたいで」
今だから慣れたものの、幼い頃は微妙に傷ついたものだ
「僕の名前も女の子に良く間違われたから、わかるよ。その気持ち」
そう言って、狩野先輩は私の席の前に歩いてきて、右手を出した
「これから、ヨロシク。晶ちゃん」
私も右手を差し出して握手した
長い指。私の指が全部隠れちゃったよ
「こちらこそ、宜しくお願いします。狩野先輩」
「響でいいよ」
呼び捨てはさすがに出来ないよ
「じゃぁ、響先輩でいいですか?」
「OK」
「あの、図々しいと思うんですがリクエストしていいですか?」
ピアノの曲を聴いている間に、弾いてもらい曲が2曲思い浮かんでいた
「いいよ。僕が知ってる曲だったらいいんだけど」
響先輩はピアノの前に座る
「中3の音楽の授業で習った『モルダウ』とディズニーの『星に願いを』をお願いします」
「2曲とも、僕の好きな曲だよ」
静かな音楽室に優しくモルダウが流れはじめた頃、19:00が過ぎ様としていた