神様、僕に妹を下さい
Act.276 サイド晶(あきら)
皇兄は私に背を向けたまま、私達の距離は畳一枚分離れていた
皇兄は、膝を抱え額を膝につけたまま、ジッと動かないでいる
たった3歩離れた距離なのに遠い
でも、動かないと皇兄との、距離は縮まらない
「皇兄・・あの・・」
私は立ち上がって、皇兄の元へと歩いて行った
辛い時は辛いと伝えないと
「何だ」
皇兄は顔を上げてくれない
痛い・・足が・・もう立っていられる時間も限界に近い
「かえるの足は皇兄に直してもらえるけど」
ゴクンと息を呑む
「私の足は」
ズキン・ズキン。まるで剣山を全体に刺された痛さ
皇兄・・私、足が・・痛くて
「お前、さっきから、かえる・かえるって少しは、じぶ・・のお前、その足!」
ようやく、顔を上げてくれた皇兄の瞳の中に、私の左足が映っていた
「どうしたんだ!!」
「人に踏まれちゃって・・痛っ」
もう、支える事ができない。立ってられない!
バランスを崩しながら、床にお尻をついた
「こんなに酷くなる前に、どうして言わなかった?」
理由を言ったら、きっと皇兄怒るよ
少しでも、皇兄と一緒にいたかったなんて
皇兄は、青紫色に腫れた私の足をゆっくり揉み、骨の状態を確かめると、突然ビリビリとシャツの袖を引き千切った
「少し痛いだろうが、立つ事は出来るはずだ」
そのシャツで、つま先を固定され、足の甲できつく結ばれる
こうやって何度、皇兄に手当てをされただろう
私が、料理で火傷や切り傷を作った時も、こうして手当てしてくれた
皇兄の手は、魔法の手だと思う
包帯を巻く手、私の髪をアレンジしてくれる手、私の頭を撫でてくれる手
大きな手なのに、器用で・・私はこの手が好き
大好き
私は、皇兄の手に自分の両手を重ねた
「皇兄・・私、皇兄に迷惑かけてる・・?」
また、私はこの手に助けられている
「あぁ、今までで一番な」
皇兄は最後の結び目を作りながら答えた
今までで、一番・・か。そうだよね
「そっか、じゃぁ迷惑ついでに聞いてもいい?」
私は皇兄の手をギュッと握り締めた
聞いてみたい・・でも・・恐い・・
「私のこと・・好き?」
やっと言えたこの言葉
でも、皇兄から返って来る答えは、わかっている
皇兄は、膝を抱え額を膝につけたまま、ジッと動かないでいる
たった3歩離れた距離なのに遠い
でも、動かないと皇兄との、距離は縮まらない
「皇兄・・あの・・」
私は立ち上がって、皇兄の元へと歩いて行った
辛い時は辛いと伝えないと
「何だ」
皇兄は顔を上げてくれない
痛い・・足が・・もう立っていられる時間も限界に近い
「かえるの足は皇兄に直してもらえるけど」
ゴクンと息を呑む
「私の足は」
ズキン・ズキン。まるで剣山を全体に刺された痛さ
皇兄・・私、足が・・痛くて
「お前、さっきから、かえる・かえるって少しは、じぶ・・のお前、その足!」
ようやく、顔を上げてくれた皇兄の瞳の中に、私の左足が映っていた
「どうしたんだ!!」
「人に踏まれちゃって・・痛っ」
もう、支える事ができない。立ってられない!
バランスを崩しながら、床にお尻をついた
「こんなに酷くなる前に、どうして言わなかった?」
理由を言ったら、きっと皇兄怒るよ
少しでも、皇兄と一緒にいたかったなんて
皇兄は、青紫色に腫れた私の足をゆっくり揉み、骨の状態を確かめると、突然ビリビリとシャツの袖を引き千切った
「少し痛いだろうが、立つ事は出来るはずだ」
そのシャツで、つま先を固定され、足の甲できつく結ばれる
こうやって何度、皇兄に手当てをされただろう
私が、料理で火傷や切り傷を作った時も、こうして手当てしてくれた
皇兄の手は、魔法の手だと思う
包帯を巻く手、私の髪をアレンジしてくれる手、私の頭を撫でてくれる手
大きな手なのに、器用で・・私はこの手が好き
大好き
私は、皇兄の手に自分の両手を重ねた
「皇兄・・私、皇兄に迷惑かけてる・・?」
また、私はこの手に助けられている
「あぁ、今までで一番な」
皇兄は最後の結び目を作りながら答えた
今までで、一番・・か。そうだよね
「そっか、じゃぁ迷惑ついでに聞いてもいい?」
私は皇兄の手をギュッと握り締めた
聞いてみたい・・でも・・恐い・・
「私のこと・・好き?」
やっと言えたこの言葉
でも、皇兄から返って来る答えは、わかっている