神様、僕に妹を下さい
Act.029 サイド皇紀(こうき)
背中のリュックが飛んで行くぐらいの勢いで、晶は走っていた
全身で息をしながら、音楽室の前に立ち止まると中の様子をうかがっている。そして、肩を落とした
どうやら、お目当ての相手がいなかったらしく、諦めて帰るらしい
その様子にオレも胸を撫で下ろす
後ろ姿だけでも、コロコロと表情が変わっておもしろい奴
本当に、見てて飽きない。カワイイなぁ
「桜庭さん、生徒会長が落ち込んで話が進みません」
書記の岡本が困った声をあげた
生徒会長をみると、テーブルに背を向けて丸くなって座っている
まったく、世話がやける。本当にオレよりひとつ年上なのか?
「はぁ・・」
オレはため息を吐くと立ち上がり、生徒会長の隣に座り直した
テーブルに置かれてある資料に目を通す
晶の事で頭が一杯で、何も聞いてないし、考えてなかったのも事実
「この、文化祭の予算を削って、体育際のほうの予算を増やした方がいいのでは?各団旗の買換えの時期でもある訳だし、会長の意見は?」
オレに呼ばれた会長は途端に笑顔になって
「せやせや」
とうなずいた
この人のこーいうキャラが全校生徒には受けているんだろうな
一端話が進み始めると、まとまるのも早いのが今期の生徒会役員の特徴になっていた
「じゃ、今日はここまでにしとこか。みなご苦労さん。気ーつけて帰り」
会長の締めくくりの言葉に皆、ぞろぞろと帰って行く
さて、オレも帰るかな。時計を見ると18:50分になるところだった
夕飯に遅れそうだな、家に連絡しとくか。しないと晶の奴、怒ってそうだしな
きっと、怒って『ふぎーふがー』とか訳のわからない言葉を発しているに違いない
「なんや、今日のこーちゃん不機嫌なんか、良いんかわからんな」
オレの顔をジッと見ていた会長がボソっと呟いた
「まだ、いたんですか。それにそのこーちゃんって言うの止めてもらえません?」
「ええやんか。こーちゃんも俺のことかっちゃんて呼べばええやん」
呼べるか!
ちなみに会長は、沢村 勝羽(さわむら かつば)という名前
「オレ、帰りますよ」
立ち上がり、窓の戸締りをしようとした時、風に乗って聞き覚えのある曲がオレの耳に入ってきた
全身で息をしながら、音楽室の前に立ち止まると中の様子をうかがっている。そして、肩を落とした
どうやら、お目当ての相手がいなかったらしく、諦めて帰るらしい
その様子にオレも胸を撫で下ろす
後ろ姿だけでも、コロコロと表情が変わっておもしろい奴
本当に、見てて飽きない。カワイイなぁ
「桜庭さん、生徒会長が落ち込んで話が進みません」
書記の岡本が困った声をあげた
生徒会長をみると、テーブルに背を向けて丸くなって座っている
まったく、世話がやける。本当にオレよりひとつ年上なのか?
「はぁ・・」
オレはため息を吐くと立ち上がり、生徒会長の隣に座り直した
テーブルに置かれてある資料に目を通す
晶の事で頭が一杯で、何も聞いてないし、考えてなかったのも事実
「この、文化祭の予算を削って、体育際のほうの予算を増やした方がいいのでは?各団旗の買換えの時期でもある訳だし、会長の意見は?」
オレに呼ばれた会長は途端に笑顔になって
「せやせや」
とうなずいた
この人のこーいうキャラが全校生徒には受けているんだろうな
一端話が進み始めると、まとまるのも早いのが今期の生徒会役員の特徴になっていた
「じゃ、今日はここまでにしとこか。みなご苦労さん。気ーつけて帰り」
会長の締めくくりの言葉に皆、ぞろぞろと帰って行く
さて、オレも帰るかな。時計を見ると18:50分になるところだった
夕飯に遅れそうだな、家に連絡しとくか。しないと晶の奴、怒ってそうだしな
きっと、怒って『ふぎーふがー』とか訳のわからない言葉を発しているに違いない
「なんや、今日のこーちゃん不機嫌なんか、良いんかわからんな」
オレの顔をジッと見ていた会長がボソっと呟いた
「まだ、いたんですか。それにそのこーちゃんって言うの止めてもらえません?」
「ええやんか。こーちゃんも俺のことかっちゃんて呼べばええやん」
呼べるか!
ちなみに会長は、沢村 勝羽(さわむら かつば)という名前
「オレ、帰りますよ」
立ち上がり、窓の戸締りをしようとした時、風に乗って聞き覚えのある曲がオレの耳に入ってきた