神様、僕に妹を下さい
Act.290 サイド晶(あきら)
私も最近まで、周りの人が皇兄をどういう風に見ているのか、気にした事がなかった
その人達は、ちゃんと皇兄の魅力に気付いてたんだよね
一番近くにいたはずの私が、気付く前に
「皇兄ってさ、背が高くて、顔立ちも綺麗で、本当にカッコいいよね」
どうして、気付かなかったんだろう?
「お前なぁ、そんな事あまり、人前で言うなよな」
な・・ぜ?私の素直な気持ちなのに
「どうして?だって、クラスメイトのほとんどが皇兄に憧れてるんだよ。みんな皇兄の事好きって言ってる」
『好き』
たった2文字の言葉を、簡単にクラスメイトは口にする
でも、私にはとても重すぎて、口に出すのが恐い
だけど・・聞いてみたい
五十嵐先輩が言っていた、皇兄の片思いの女(ひと)の事
「皇・・皇兄は・・好きな人・・いるの?」
聞くのは・・恐い、恐いけど、どんな人が皇兄に愛されるのか、聞いてみたい
「なんで?また、誰かから聞いて来いって言われたのか?」
私の質問に、皇兄はため息をついた
この顔、困ったように瞬きする表情。中学の時にこの質問をすると、皇兄は決まってこの表情になった
「うううん。五十嵐先輩が言っていたの。皇兄には、片思いの人がいるって」
「あいつの言う事は、真に受けるな。人の心をかき乱して、喜ぶ奴なんだ。オレもどれだけあいつに・・」
あぁ、だめだ・・
『好き』と言う言葉と、『片思い』と言う言葉を口にしたら、涙が出てくる
「どうした晶?何処か痛いのか?」
違うの皇兄
「うううん。片思いって辛いと思って」
一方的な片思い。口にすることも許されない恋
私は皇兄の背中を抱きしめ直した
聞いて、皇兄
「皇兄・・私ね。つい最近まで、自分には白馬の王子様が現れるって思ってたの。その人が運命の人なんだって・・」
夢みたいな、おとぎ話みたいな事を、本気で信じてた
「でも・・現実は違ってた。現実はそんなに甘くなくて・・」
こんなにも・・こんなに胸が苦しいなんて
「人を好きになるのって、こんなに辛いんだね」
好き・・好きだよ。皇兄
「晶・・会長はお前の事をちゃんとわかっている人だ。だから不安になる事はない」
泣きじゃくる私の背中を、皇兄は優しく叩いた
その人達は、ちゃんと皇兄の魅力に気付いてたんだよね
一番近くにいたはずの私が、気付く前に
「皇兄ってさ、背が高くて、顔立ちも綺麗で、本当にカッコいいよね」
どうして、気付かなかったんだろう?
「お前なぁ、そんな事あまり、人前で言うなよな」
な・・ぜ?私の素直な気持ちなのに
「どうして?だって、クラスメイトのほとんどが皇兄に憧れてるんだよ。みんな皇兄の事好きって言ってる」
『好き』
たった2文字の言葉を、簡単にクラスメイトは口にする
でも、私にはとても重すぎて、口に出すのが恐い
だけど・・聞いてみたい
五十嵐先輩が言っていた、皇兄の片思いの女(ひと)の事
「皇・・皇兄は・・好きな人・・いるの?」
聞くのは・・恐い、恐いけど、どんな人が皇兄に愛されるのか、聞いてみたい
「なんで?また、誰かから聞いて来いって言われたのか?」
私の質問に、皇兄はため息をついた
この顔、困ったように瞬きする表情。中学の時にこの質問をすると、皇兄は決まってこの表情になった
「うううん。五十嵐先輩が言っていたの。皇兄には、片思いの人がいるって」
「あいつの言う事は、真に受けるな。人の心をかき乱して、喜ぶ奴なんだ。オレもどれだけあいつに・・」
あぁ、だめだ・・
『好き』と言う言葉と、『片思い』と言う言葉を口にしたら、涙が出てくる
「どうした晶?何処か痛いのか?」
違うの皇兄
「うううん。片思いって辛いと思って」
一方的な片思い。口にすることも許されない恋
私は皇兄の背中を抱きしめ直した
聞いて、皇兄
「皇兄・・私ね。つい最近まで、自分には白馬の王子様が現れるって思ってたの。その人が運命の人なんだって・・」
夢みたいな、おとぎ話みたいな事を、本気で信じてた
「でも・・現実は違ってた。現実はそんなに甘くなくて・・」
こんなにも・・こんなに胸が苦しいなんて
「人を好きになるのって、こんなに辛いんだね」
好き・・好きだよ。皇兄
「晶・・会長はお前の事をちゃんとわかっている人だ。だから不安になる事はない」
泣きじゃくる私の背中を、皇兄は優しく叩いた