神様、僕に妹を下さい
Act.299 サイド皇紀(こうき)
コン・コン
『潤様、お連れの方の治療が終わったとの事です。処置室の方へと』
部屋のドアがノックされ、外からの声にオレは立ち上がった
「晶・・」
「会いに行くか。晶ちゃんに。上着は着ろよ」
五十嵐に渡された上着に袖を通しながら、晶のいる処置室へと向かう
処置室は、最初に晶を運んだ部屋の隣にあった
「はぁ・・」
ドアノブを掴み、一瞬、躊躇した
晶に会ったら、最初に何と声をかけよう
いや、今は晶の元気な顔が見れればそれでいい
治療室に入ると、看護婦が晶の頭の下に、氷枕を敷いている所だった
晶の額には氷嚢が乗せられ、右腕には点滴が打たれていた
「あき・・ら?」
枕元に駆け寄り、晶の顔に触れようとした時、五十嵐の父親から廊下に呼び出された
「先生、晶の治療ありがとうございます。あいつ・・大丈夫ですよね」
「とりあえず、今の所は。ただ・・彼女はただの風邪ではなく、咽頭結膜熱と言って、アデノウィルスという微生物が感染していてね、同時に肺炎をおこしかけて、危険な状態だ」
「ウィルスって?治るんですか?」
「現状では、ウィルスに対する特攻薬はないんだが、大丈夫2週間もすれば自然に治癒する病気だよ。ただ、ウィルスなので感染力が強い。ここには妊婦も新生児もいるから他の病院へ移った方が」
他の・・病院・・
「それは・・」
言葉を濁すオレに、横から五十嵐が割り入ってきた
「それなら、俺のいる右別館へ移せばいいじゃないか。病院からも近いし、学校からも近い。父さん、彼女は皇紀にとって大事な女(ひと)なんだ。だから、俺からも頼む。他の病院へ移すのはやめてくれないか」
オレの横で五十嵐が、父親に頭を下げた
「お願いします」
オレも頭を下げる
「わかった。出来るだけの事はしよう。注意事項は看護婦に聞くといい」
「ありがとうございます」
その後、すぐに晶の身体は、五十嵐のいる右別館に移された
ウィルスと言う事もあり、晶が触れたと思われる箇所がすべて看護婦によって消毒された
感染をふせぐため、タオル等も共用を禁じられ、使い捨ての物を使用するように指示された
他にも色々と注意事項を言われ、ようやく落ち着いた時は、東の空が薄っすら明るくなっていた
『潤様、お連れの方の治療が終わったとの事です。処置室の方へと』
部屋のドアがノックされ、外からの声にオレは立ち上がった
「晶・・」
「会いに行くか。晶ちゃんに。上着は着ろよ」
五十嵐に渡された上着に袖を通しながら、晶のいる処置室へと向かう
処置室は、最初に晶を運んだ部屋の隣にあった
「はぁ・・」
ドアノブを掴み、一瞬、躊躇した
晶に会ったら、最初に何と声をかけよう
いや、今は晶の元気な顔が見れればそれでいい
治療室に入ると、看護婦が晶の頭の下に、氷枕を敷いている所だった
晶の額には氷嚢が乗せられ、右腕には点滴が打たれていた
「あき・・ら?」
枕元に駆け寄り、晶の顔に触れようとした時、五十嵐の父親から廊下に呼び出された
「先生、晶の治療ありがとうございます。あいつ・・大丈夫ですよね」
「とりあえず、今の所は。ただ・・彼女はただの風邪ではなく、咽頭結膜熱と言って、アデノウィルスという微生物が感染していてね、同時に肺炎をおこしかけて、危険な状態だ」
「ウィルスって?治るんですか?」
「現状では、ウィルスに対する特攻薬はないんだが、大丈夫2週間もすれば自然に治癒する病気だよ。ただ、ウィルスなので感染力が強い。ここには妊婦も新生児もいるから他の病院へ移った方が」
他の・・病院・・
「それは・・」
言葉を濁すオレに、横から五十嵐が割り入ってきた
「それなら、俺のいる右別館へ移せばいいじゃないか。病院からも近いし、学校からも近い。父さん、彼女は皇紀にとって大事な女(ひと)なんだ。だから、俺からも頼む。他の病院へ移すのはやめてくれないか」
オレの横で五十嵐が、父親に頭を下げた
「お願いします」
オレも頭を下げる
「わかった。出来るだけの事はしよう。注意事項は看護婦に聞くといい」
「ありがとうございます」
その後、すぐに晶の身体は、五十嵐のいる右別館に移された
ウィルスと言う事もあり、晶が触れたと思われる箇所がすべて看護婦によって消毒された
感染をふせぐため、タオル等も共用を禁じられ、使い捨ての物を使用するように指示された
他にも色々と注意事項を言われ、ようやく落ち着いた時は、東の空が薄っすら明るくなっていた