神様、僕に妹を下さい
Act.308 サイド晶(あきら)
公園で、女の子がひとり泣いている
うずくまって肩を震わせながら泣いている
私は、その子を知っている・・知っていて当たり前、だってその子は昔の私だもの
私は公園を見回した。変わらないなぁ・・と思う
昔、髪の色の事や、男みたいな名前だって、皆にいじめられたっけ
その度に、公園で泣いてた
「もう、泣かないで」
幼い私に、声をかけようとした時、ひとりの男の子が現れた
顔は逆光で隠れているけど、私と同じくらいの見事なブラウンの髪の色がとても印象的
「泣いてるの?」
その男の子は、幼い私に尋ねた
幼い私は何も答えない
「じゃぁ今日授業で習った曲、特別に弾いてやるよ」
男の子は、縦笛を取り出し、幼い私の横に座ると、途切れ途切れながらも、一生懸命優しいメロディを奏でてくれた
この曲・・『星に願いを』だ
そう、私が好きな曲
この時に、聞かされて、好きになった曲
「もう1回聞きたい」
幼い私は、涙が晴れて笑顔になっていた
「だめ、特別だって言ったろ」
男の子はスクッと立ち上がり、駆け足で、私の横を走り去っていった
「待って!」
あの時、幼い私は彼に追いつけなかったけれど、今の私は違う
彼より、歩幅も大きいから、追いかけて男の子の腕を掴んだ
「あの・・曲弾いてくれてありがとう。よかったら名前教えてくれないかな?」
「俺・・俺は・・」
男の子は名前を口にした。けれど、突風でうまく聞き取れなかった
「もう1回言って?」
「だめ、お前も、そろそろ目を覚ました方がいいよ」
「え?」
そう、捨て台詞を残し、男の子は走って行った
印象深い、茶色の髪の後ろ姿
思えばあれが私の初恋
前にも同じ夢を見た・・
彼を追いかけようとして、勢いよく起き上がると、ゴンッとおでこになにか物体があたったっけ・・
その痛みで・・私は目を覚ました
そう・・私は目を覚ます
瞼はとても重く、まるで接着剤を目の周りに付けられているかの様だった
ゆっくり、時間をかけて、目を開ける・・
けれど、入ってくる光が眩しいと言うより、痛くて、涙が溢れてきた
涙と、目の周りの霞が視界を邪魔して、うまく目線を定めれなかった
ただ・・見たことのない天井だと思った
うずくまって肩を震わせながら泣いている
私は、その子を知っている・・知っていて当たり前、だってその子は昔の私だもの
私は公園を見回した。変わらないなぁ・・と思う
昔、髪の色の事や、男みたいな名前だって、皆にいじめられたっけ
その度に、公園で泣いてた
「もう、泣かないで」
幼い私に、声をかけようとした時、ひとりの男の子が現れた
顔は逆光で隠れているけど、私と同じくらいの見事なブラウンの髪の色がとても印象的
「泣いてるの?」
その男の子は、幼い私に尋ねた
幼い私は何も答えない
「じゃぁ今日授業で習った曲、特別に弾いてやるよ」
男の子は、縦笛を取り出し、幼い私の横に座ると、途切れ途切れながらも、一生懸命優しいメロディを奏でてくれた
この曲・・『星に願いを』だ
そう、私が好きな曲
この時に、聞かされて、好きになった曲
「もう1回聞きたい」
幼い私は、涙が晴れて笑顔になっていた
「だめ、特別だって言ったろ」
男の子はスクッと立ち上がり、駆け足で、私の横を走り去っていった
「待って!」
あの時、幼い私は彼に追いつけなかったけれど、今の私は違う
彼より、歩幅も大きいから、追いかけて男の子の腕を掴んだ
「あの・・曲弾いてくれてありがとう。よかったら名前教えてくれないかな?」
「俺・・俺は・・」
男の子は名前を口にした。けれど、突風でうまく聞き取れなかった
「もう1回言って?」
「だめ、お前も、そろそろ目を覚ました方がいいよ」
「え?」
そう、捨て台詞を残し、男の子は走って行った
印象深い、茶色の髪の後ろ姿
思えばあれが私の初恋
前にも同じ夢を見た・・
彼を追いかけようとして、勢いよく起き上がると、ゴンッとおでこになにか物体があたったっけ・・
その痛みで・・私は目を覚ました
そう・・私は目を覚ます
瞼はとても重く、まるで接着剤を目の周りに付けられているかの様だった
ゆっくり、時間をかけて、目を開ける・・
けれど、入ってくる光が眩しいと言うより、痛くて、涙が溢れてきた
涙と、目の周りの霞が視界を邪魔して、うまく目線を定めれなかった
ただ・・見たことのない天井だと思った