神様、僕に妹を下さい
Act.324 サイド皇紀(こうき)
晶の両足を拭き終えて、ぺチッと足の甲を叩く
「じゃぁ、せめてスリッパでも履いて逃げ出せばよかったろ」
「あ・・ふふっ。そうだね」
オレの提案に晶は、頬をピクッと動かし、目を細めて笑った
好きだなぁ、この笑い方。自分のとった行動に思い出して笑う姿
晶が、『妹』に戻りたいというのなら、そうさせてやるのが優しさなのだろうか?
神社での出来事は、夢だと思って、接してやるのが優しさなのだろうか?
少なくとも、晶はそれを望んでいる
オレがひと言、さっきの告白は、『妹』としてのものだと笑って返してやれば、晶は楽になれるのだろうか
「お兄ちゃん?」
足を持ったまま、動かないオレを心配そうに晶は覗き込んだ
「晶・・」
「なぁに?」
「さっきの・・オレの・・」
兄妹に戻る事が・・晶の幸せ・・
さぁ、勇気を出して、告白は妹としてのものだと・・
『好き・・好き』 神社でオレにキスを落としながら、呟いた晶の言葉がオレの中で呼び覚まされ、オレは息を止めた
ごめん
オレの、都合のいい考えかもしれない
けど、オレにはやっぱり、神社での言葉が真実で、さっきの晶の言葉は嘘に聞こえるんだ
嘘はつけない。それが、オレの出した結論だった
自分の心を偽る事はしない。もう、逃げないと決めたのだから
「晶、さっきのオレの告白は・・お前を思う気持ちは、本当なんだ」
静かに、おとぎ話を聞かせるように、オレは囁いた
なぜ、気付かなかったのだろう
晶に、教える時、何かを伝える時は、要点をおさえながら、語りかけるように話をしていた事を。晶が理解するまでゆっくりと時間をかけて、晶の答えを引き出していた
なのに、オレは一方的に、『好きだ』としか言っていない。オレがお前をどんな風に好きなのか、ちゃんと伝えていなかった
晶・・これがお前に出来る、最後の授業
だから、ちゃんとオレに答えを聞かせて
「皇・・」
オレは晶の隣に座り、言葉に詰まる晶を、見つめた
「オレの中でのお前は、いつも『妹』ではなく、いつもひとりの『女の子』だった。お前が神社でキスしてくれるずっと前から好きだった」
本当に、本当に好きで、時に自分か怖くなるくらいにお前のことが好きだった
「じゃぁ、せめてスリッパでも履いて逃げ出せばよかったろ」
「あ・・ふふっ。そうだね」
オレの提案に晶は、頬をピクッと動かし、目を細めて笑った
好きだなぁ、この笑い方。自分のとった行動に思い出して笑う姿
晶が、『妹』に戻りたいというのなら、そうさせてやるのが優しさなのだろうか?
神社での出来事は、夢だと思って、接してやるのが優しさなのだろうか?
少なくとも、晶はそれを望んでいる
オレがひと言、さっきの告白は、『妹』としてのものだと笑って返してやれば、晶は楽になれるのだろうか
「お兄ちゃん?」
足を持ったまま、動かないオレを心配そうに晶は覗き込んだ
「晶・・」
「なぁに?」
「さっきの・・オレの・・」
兄妹に戻る事が・・晶の幸せ・・
さぁ、勇気を出して、告白は妹としてのものだと・・
『好き・・好き』 神社でオレにキスを落としながら、呟いた晶の言葉がオレの中で呼び覚まされ、オレは息を止めた
ごめん
オレの、都合のいい考えかもしれない
けど、オレにはやっぱり、神社での言葉が真実で、さっきの晶の言葉は嘘に聞こえるんだ
嘘はつけない。それが、オレの出した結論だった
自分の心を偽る事はしない。もう、逃げないと決めたのだから
「晶、さっきのオレの告白は・・お前を思う気持ちは、本当なんだ」
静かに、おとぎ話を聞かせるように、オレは囁いた
なぜ、気付かなかったのだろう
晶に、教える時、何かを伝える時は、要点をおさえながら、語りかけるように話をしていた事を。晶が理解するまでゆっくりと時間をかけて、晶の答えを引き出していた
なのに、オレは一方的に、『好きだ』としか言っていない。オレがお前をどんな風に好きなのか、ちゃんと伝えていなかった
晶・・これがお前に出来る、最後の授業
だから、ちゃんとオレに答えを聞かせて
「皇・・」
オレは晶の隣に座り、言葉に詰まる晶を、見つめた
「オレの中でのお前は、いつも『妹』ではなく、いつもひとりの『女の子』だった。お前が神社でキスしてくれるずっと前から好きだった」
本当に、本当に好きで、時に自分か怖くなるくらいにお前のことが好きだった