神様、僕に妹を下さい
Act.334 サイド皇紀(こうき)
「そろそろ帰ろうか。皇兄・・きっとみんな心配してる」
晶の言葉に、オレは静かに首を横に振った
「皇兄?」
晶は首を掲げ、オレを仰いだ
「晶、オレは、幸せになりたいと思う」
オレの言葉に、晶は目を細めた
「うん。皇兄ならきっと幸せになれると思うよ」
「そっか」
オレも目を細め、晶に笑い返す
「だが、オレが幸せになる為には、どうしても必要なものがあるんだ。オレはそれがないと幸せになれない」
オレは、抱きしめる腕を緩め、晶と正面で向き合った
「皇兄・・・?」
晶は、キョトンと大きな瞳をオレに向ける
黒い瞳の中に、オレの姿が映っている
「オレの見つめる・・大きな瞳」
右手で晶の瞼をなぞる
「オレの名前を呼ぶ・・小さな唇」
左親指で晶の下唇をそっと押さえる
「オレの為にいつも慣れない料理をしてくれる・・傷だらけの手」
晶の手の平を両手で包んだ
「こぅ・・にぃ?」
「晶、オレはお前がいないと幸せになれない。だから、オレが幸せになる為に・・お前のすべてを・・・お前をオレに下さい」
チュッと晶の手の甲にキスを落とし、晶を真っ直ぐに見つめた
「な・・皇兄・・聞いてなかったの・・?私は・・私の存在は、皇兄の幸せを奪ってしまうって・・」
晶は首を横に向け、視線を外すと、手の平をふりほどこうとする
オレは手を強く握る
「悪い。二度と離すつもりはない。オレはもう、みすみす自分の幸せを逃がすほどバカじゃないんだ。お前も目の前に幸せがあったら捕まえに行くだろ?」
チュッ・・チュッと再度、手の甲いキスを落とす
「ダメ・・ダメ・・皇兄・・」
「お前しか、オレを幸せには出来ない」
晶は声をかみ殺し、肩を震わせて泣いていた
「私・・本当に皇兄をしあ・・幸せに出来・・」
オレは自分の幸せの事しか考えていないと言っているのに、晶はまだオレの幸せを願っている
「晶、オレはお前に心配されなくても自分で幸せを掴む。だから、お前は自分の為に幸せを掴め。自分しか自分の幸せは守れないだろ。な」
パチンと片目を閉じて、晶に笑いかける
「私・・私は・・私の幸せは・・」
凛とした晶の瞳がゆっくりとオレの方を振り向いた
晶の言葉に、オレは静かに首を横に振った
「皇兄?」
晶は首を掲げ、オレを仰いだ
「晶、オレは、幸せになりたいと思う」
オレの言葉に、晶は目を細めた
「うん。皇兄ならきっと幸せになれると思うよ」
「そっか」
オレも目を細め、晶に笑い返す
「だが、オレが幸せになる為には、どうしても必要なものがあるんだ。オレはそれがないと幸せになれない」
オレは、抱きしめる腕を緩め、晶と正面で向き合った
「皇兄・・・?」
晶は、キョトンと大きな瞳をオレに向ける
黒い瞳の中に、オレの姿が映っている
「オレの見つめる・・大きな瞳」
右手で晶の瞼をなぞる
「オレの名前を呼ぶ・・小さな唇」
左親指で晶の下唇をそっと押さえる
「オレの為にいつも慣れない料理をしてくれる・・傷だらけの手」
晶の手の平を両手で包んだ
「こぅ・・にぃ?」
「晶、オレはお前がいないと幸せになれない。だから、オレが幸せになる為に・・お前のすべてを・・・お前をオレに下さい」
チュッと晶の手の甲にキスを落とし、晶を真っ直ぐに見つめた
「な・・皇兄・・聞いてなかったの・・?私は・・私の存在は、皇兄の幸せを奪ってしまうって・・」
晶は首を横に向け、視線を外すと、手の平をふりほどこうとする
オレは手を強く握る
「悪い。二度と離すつもりはない。オレはもう、みすみす自分の幸せを逃がすほどバカじゃないんだ。お前も目の前に幸せがあったら捕まえに行くだろ?」
チュッ・・チュッと再度、手の甲いキスを落とす
「ダメ・・ダメ・・皇兄・・」
「お前しか、オレを幸せには出来ない」
晶は声をかみ殺し、肩を震わせて泣いていた
「私・・本当に皇兄をしあ・・幸せに出来・・」
オレは自分の幸せの事しか考えていないと言っているのに、晶はまだオレの幸せを願っている
「晶、オレはお前に心配されなくても自分で幸せを掴む。だから、お前は自分の為に幸せを掴め。自分しか自分の幸せは守れないだろ。な」
パチンと片目を閉じて、晶に笑いかける
「私・・私は・・私の幸せは・・」
凛とした晶の瞳がゆっくりとオレの方を振り向いた