神様、僕に妹を下さい
Act.337 ラスト晶(あきら)
もう皇兄、私の傍にいるって言ったのに、1人で登校するなんて・・
「皇兄のうそつき!」
玄関を飛び出し、家の門の前で地団駄をふんだ
「だーれが、嘘つきだって?え?」
門の横から声がして、見ると塀に寄り掛かった皇兄が立っていた
「こっ・・皇兄!」
「言ってみろよ。晶」
皇兄はパタンと読んでいた本を閉じると、目線を合わせられない私の頭を本でポンと叩いた
「い・いや・・その・・『う・・そら(空)につき(月)が・・』を縮小してみたの・・」
絶対・・信じてもらえないだろうけれど
なんと、苦しい言い訳なの。まさか、皇兄がいるとは・・
「そっか。じゃぁ、行くぞ」
あれれ?てっきり追及されるかと思ったのに、皇兄はあっさりと引いてしまった
皇兄の横に並んで一緒に歩き出し、ふと気付いた事があった
「ん?うーむ・・」
「どうした?晶」
立ち止まった私に皇兄から声をかけられる
「えーとね。皇兄と一緒に登校するの、初めてじゃないのに、何か違った感じがするの」
両想いになったからとかではなくて・・
なんか・・こう・・別の・・
頭をひねりながらまた、歩き出す。そして、また立ち止まる
その度に皇兄も歩き出し、立ち止まってくれていた
「あっ!わかった。皇兄が横にいるんだ」
私はパチンと手を叩いた
「さっきから横にいるだろ?」
「うううん。今迄一緒に登校した時は皇兄、いつも先に行っちゃってさ。私、追いつくのに大変だったんだもん。でも今日は違うね」
今日は私の歩幅に合わせてくれて、隣にいてくれる
だから違った感じがしたんだ
「何言ってんだか」
皇兄は少し顔を赤らめて、歩き出した
きっと皇兄も気づいていたんだね
『一緒の時間をあるいている』という事に・・・
「晶・・こら、行くぞ」
「はーい」
皇兄の声に元気よく返事をして、皇兄の左手に自分の右手を絡ませる
「晶!!」
「ふふっ。自分の幸せを掴んじゃった」
ちょっと驚いた皇兄に、私は笑顔で返した
これから・・苦しいこと、辛いこと、きっとあると思う。けど、私はこの手を離さない
だって、私の幸せはここにあるもの
だから・・皇兄・・一緒に幸せになろうね
Act.337 ラスト 桜庭 晶
「皇兄のうそつき!」
玄関を飛び出し、家の門の前で地団駄をふんだ
「だーれが、嘘つきだって?え?」
門の横から声がして、見ると塀に寄り掛かった皇兄が立っていた
「こっ・・皇兄!」
「言ってみろよ。晶」
皇兄はパタンと読んでいた本を閉じると、目線を合わせられない私の頭を本でポンと叩いた
「い・いや・・その・・『う・・そら(空)につき(月)が・・』を縮小してみたの・・」
絶対・・信じてもらえないだろうけれど
なんと、苦しい言い訳なの。まさか、皇兄がいるとは・・
「そっか。じゃぁ、行くぞ」
あれれ?てっきり追及されるかと思ったのに、皇兄はあっさりと引いてしまった
皇兄の横に並んで一緒に歩き出し、ふと気付いた事があった
「ん?うーむ・・」
「どうした?晶」
立ち止まった私に皇兄から声をかけられる
「えーとね。皇兄と一緒に登校するの、初めてじゃないのに、何か違った感じがするの」
両想いになったからとかではなくて・・
なんか・・こう・・別の・・
頭をひねりながらまた、歩き出す。そして、また立ち止まる
その度に皇兄も歩き出し、立ち止まってくれていた
「あっ!わかった。皇兄が横にいるんだ」
私はパチンと手を叩いた
「さっきから横にいるだろ?」
「うううん。今迄一緒に登校した時は皇兄、いつも先に行っちゃってさ。私、追いつくのに大変だったんだもん。でも今日は違うね」
今日は私の歩幅に合わせてくれて、隣にいてくれる
だから違った感じがしたんだ
「何言ってんだか」
皇兄は少し顔を赤らめて、歩き出した
きっと皇兄も気づいていたんだね
『一緒の時間をあるいている』という事に・・・
「晶・・こら、行くぞ」
「はーい」
皇兄の声に元気よく返事をして、皇兄の左手に自分の右手を絡ませる
「晶!!」
「ふふっ。自分の幸せを掴んじゃった」
ちょっと驚いた皇兄に、私は笑顔で返した
これから・・苦しいこと、辛いこと、きっとあると思う。けど、私はこの手を離さない
だって、私の幸せはここにあるもの
だから・・皇兄・・一緒に幸せになろうね
Act.337 ラスト 桜庭 晶