神様、僕に妹を下さい
Act.049 サイド皇紀(こうき)
「あいつ、大丈夫なのか?」
そして、もうひとつ思い出した
この女の名前、高原 和泉 中学の時の保健の先生だ
「薬を飲ませたから痛みは引いたけれど、辛そうだった。晶ちゃんに何か言ったの?」
「晶は?何か言ってた?」
「いいえ。皇兄は関係ない。自分が悪いんだって」
「・・・」
ズキンと胸が痛くなった
正直にオレが原因だと言ってくれたなら、あいつの気持ちも考えず、突き進むことができた
蕁麻疹が出るほど嫌な目にあったはずなのに、オレではなく自分が悪いと言っている晶に、オレがしてやれること・・・
「センセ、前に言ってたよな。生理不順や生理痛は、環境の変化やストレスが原因だと」
「えぇ、体調や冷え性の場合もあるけど、あの子の場合はストレスからだと思うわ」
「じゃぁ、原因はオレかもな。あいつに酷い事したし、言った」
「あんたねぇ、たった一人の妹でしょ?何いつまでも子供じみたことをしてるのよ!!」
あぁ、本当に・・オレもそう思うよ
だからもっと正反対の事を口走る
「でも、晶はオレのせいじゃないって言ってるんだろ?それに晶のくせに、ストレスを感じるとか、あり得ない」
バシッと鈍い音が保健室に響き渡り、オレの右手の甲に痛みが走る
和泉が平手打ちをしたのだ。両肩で息を弾み、激怒で頭に血がのぼっているのが分かる
「痛・・」
「あんた、言って良い事と悪い事の区別もつかないの!それじゃ、晶ちゃんがかわいそうよ」
そんなの、言われなくても分かっている。殴られた痛みは晶の痛み
この件でオレを戒める事が出来るのは、和泉しかいない
「オレだって好きであいつと血が繋がっているわけじゃない。妹をどうしようが、あんたには関係ないだろ」
和泉の手の平がもう一度振り上げられた
殴られる!? 瞬間、覚悟した。殴られてもいいと・・
「あんたなんてもう・・殴る価値もない・・」
和泉はため息をつくと、腕を下ろした
「約束して、今みたいな酷い事、晶ちゃんには言わないって」
「あぁ」
言えるはずがない。晶をこれ以上苦しませることは出来ない
「それとこれを晶ちゃんに、痛み止めの薬」
紙袋に入った薬を手渡された
「ちゃんと渡してよ」
「渡すって、そこまで鬼じゃない。帰るわ」
保健室を後にし、和泉に殴られた手の甲を見る
熱い・・思いっきり殴ってくれた・・いや殴らせたのか
殴られた時に爪で引っ掛かった部分に血がに滲んでいた
そして、もうひとつ思い出した
この女の名前、高原 和泉 中学の時の保健の先生だ
「薬を飲ませたから痛みは引いたけれど、辛そうだった。晶ちゃんに何か言ったの?」
「晶は?何か言ってた?」
「いいえ。皇兄は関係ない。自分が悪いんだって」
「・・・」
ズキンと胸が痛くなった
正直にオレが原因だと言ってくれたなら、あいつの気持ちも考えず、突き進むことができた
蕁麻疹が出るほど嫌な目にあったはずなのに、オレではなく自分が悪いと言っている晶に、オレがしてやれること・・・
「センセ、前に言ってたよな。生理不順や生理痛は、環境の変化やストレスが原因だと」
「えぇ、体調や冷え性の場合もあるけど、あの子の場合はストレスからだと思うわ」
「じゃぁ、原因はオレかもな。あいつに酷い事したし、言った」
「あんたねぇ、たった一人の妹でしょ?何いつまでも子供じみたことをしてるのよ!!」
あぁ、本当に・・オレもそう思うよ
だからもっと正反対の事を口走る
「でも、晶はオレのせいじゃないって言ってるんだろ?それに晶のくせに、ストレスを感じるとか、あり得ない」
バシッと鈍い音が保健室に響き渡り、オレの右手の甲に痛みが走る
和泉が平手打ちをしたのだ。両肩で息を弾み、激怒で頭に血がのぼっているのが分かる
「痛・・」
「あんた、言って良い事と悪い事の区別もつかないの!それじゃ、晶ちゃんがかわいそうよ」
そんなの、言われなくても分かっている。殴られた痛みは晶の痛み
この件でオレを戒める事が出来るのは、和泉しかいない
「オレだって好きであいつと血が繋がっているわけじゃない。妹をどうしようが、あんたには関係ないだろ」
和泉の手の平がもう一度振り上げられた
殴られる!? 瞬間、覚悟した。殴られてもいいと・・
「あんたなんてもう・・殴る価値もない・・」
和泉はため息をつくと、腕を下ろした
「約束して、今みたいな酷い事、晶ちゃんには言わないって」
「あぁ」
言えるはずがない。晶をこれ以上苦しませることは出来ない
「それとこれを晶ちゃんに、痛み止めの薬」
紙袋に入った薬を手渡された
「ちゃんと渡してよ」
「渡すって、そこまで鬼じゃない。帰るわ」
保健室を後にし、和泉に殴られた手の甲を見る
熱い・・思いっきり殴ってくれた・・いや殴らせたのか
殴られた時に爪で引っ掛かった部分に血がに滲んでいた