神様、僕に妹を下さい
Act.050 サイド晶(あきら)
「晶てば、途中で保健室に行ってしまうんだもの。ビックリしちゃった。皇紀先輩の授業ほんとに最高だったんだよ」
皇兄の授業がよっぽど気に入ったらしく、萌ちゃんは興奮気味で話まくっていた
「僕も桜庭君の授業受けてみたかったな」
萌ちゃんの横で狩野先輩が興味深そうにうなづいている
「皇ちゃんは昔から人に教えるの上手だったわ」
なぜか、お母さんまで話に加わっていた
ここは、桜庭家のリビング
私の身体を心配して、保健室まで来てくれた萌ちゃんと、帰る途中で会った狩野先輩が私を家まで送ってきてくれた
玄関先で別れるつもりが、お母さんに見つかって半ば無理やり二人は家の中に招待されたのだ
ピーとポットのお湯が沸いた合図が鳴った
「萌ちゃんは紅茶で、狩野先輩はコーヒーでよかったですよね」
二人の話を聞きたそうなお母さんに代わって、ソファから立ち上がった
「戸棚にカステラがあるから、それも切ってあげて」
「わかった」
キッチンに立って、コーヒーサーバーに粉を落とし、紅茶のティーバッグを取り出しカップに入れた
リビングのテーブルを覗くと、私の席には萌ちゃん、お父さんの席には狩野先輩、お母さんはいつもの定位置で皇兄の席だけが空いていた
「えっと、カステラもあったんだっけ」
カステラは私が背伸びして届く高さの戸棚にあった
「んーと」
めいいっぱいつま先立ちで、手を伸ばしてカステラを取り出した
「ふぅ」
微妙にしんどい。お腹の痛みは薬で引いたけど、替わりに身体全体の筋肉がだるくなってきた。瞼も重い
ぼーっとする頭を横に振って、現実に戻しコーヒーと紅茶を入れた
「はい。どーぞ。美味しいかどうか分からないけど」
「ありがとう」
狩野先輩は私の手からコーヒーを受け取ると、一口のんで『美味しいよ』
とニッコリ笑った
「どうも・・」
照れながら、全員に配り終えると皇兄の席に座った
「お母さん、響さん気に入っちゃった。カッコいいし付き合っているんでしょ」
ガチャン。私はカステラを刺していたフォークを落とした
「え!ち・・違うよ。何言い出すの!お母さん」
私は慌てて否定した
皇兄の授業がよっぽど気に入ったらしく、萌ちゃんは興奮気味で話まくっていた
「僕も桜庭君の授業受けてみたかったな」
萌ちゃんの横で狩野先輩が興味深そうにうなづいている
「皇ちゃんは昔から人に教えるの上手だったわ」
なぜか、お母さんまで話に加わっていた
ここは、桜庭家のリビング
私の身体を心配して、保健室まで来てくれた萌ちゃんと、帰る途中で会った狩野先輩が私を家まで送ってきてくれた
玄関先で別れるつもりが、お母さんに見つかって半ば無理やり二人は家の中に招待されたのだ
ピーとポットのお湯が沸いた合図が鳴った
「萌ちゃんは紅茶で、狩野先輩はコーヒーでよかったですよね」
二人の話を聞きたそうなお母さんに代わって、ソファから立ち上がった
「戸棚にカステラがあるから、それも切ってあげて」
「わかった」
キッチンに立って、コーヒーサーバーに粉を落とし、紅茶のティーバッグを取り出しカップに入れた
リビングのテーブルを覗くと、私の席には萌ちゃん、お父さんの席には狩野先輩、お母さんはいつもの定位置で皇兄の席だけが空いていた
「えっと、カステラもあったんだっけ」
カステラは私が背伸びして届く高さの戸棚にあった
「んーと」
めいいっぱいつま先立ちで、手を伸ばしてカステラを取り出した
「ふぅ」
微妙にしんどい。お腹の痛みは薬で引いたけど、替わりに身体全体の筋肉がだるくなってきた。瞼も重い
ぼーっとする頭を横に振って、現実に戻しコーヒーと紅茶を入れた
「はい。どーぞ。美味しいかどうか分からないけど」
「ありがとう」
狩野先輩は私の手からコーヒーを受け取ると、一口のんで『美味しいよ』
とニッコリ笑った
「どうも・・」
照れながら、全員に配り終えると皇兄の席に座った
「お母さん、響さん気に入っちゃった。カッコいいし付き合っているんでしょ」
ガチャン。私はカステラを刺していたフォークを落とした
「え!ち・・違うよ。何言い出すの!お母さん」
私は慌てて否定した