神様、僕に妹を下さい
Act.073 サイド晶(あきら)
桜場は確かに言った。サバの味噌煮が皇兄の好物だって
「やっぱり、サバと言えば味噌煮に限るよな。うん」
桜場は私に目線を合わせず、一人で言って、一人で納得していた
「ねぇ、何で皇兄の好物知ってるの?」
「・・・」
「桜場ってば!」
「あー。うるさい、そうだよ。知ってたよ。ほら、出来たから2分経ったら水から上げろよな」
サバの入ったボールを渡された
一匹目の分はとっくに2分を過ぎてるから水から上げて、氷のビニール袋に入れて・・と
「ほら、生姜も」
冷蔵庫から取り出してくれた生姜を渡される
「残りのサバを出したら、帰るぞ」
桜庭はさっさと自分だけ裏口から出て行った
もう、私の質問に一つも答えてくれてないじゃない
急いで桜場の後を追うため、勝手口で靴を履いていると、赤いランドセルを背負った女の子とぶつかって二人、しりもちをついた
「ごめんなさい」
同時に謝ると、立ち上がり顔を見合わせた
髪を二つに分けて、頬はイチゴみたいに真っ赤で艶があるあどけなさが残る女の子。悲しいかな、背丈は私と3cmぐらいしか違わないよ
「『にわ』何やってんだ? 未由(みゆ)帰ってたのか」
「ただいま。お兄ちゃんの彼女?」
未由ちゃんは好奇心の眼差しで私を見た
「ばーか。さっさと家に入って宿題でもしろ」
「はーい。じゃぁね。お兄ちゃんの彼女さん」
未由ちゃんはペロっと舌を出すと、家の中に駆け込んでいった
「カワイイね」
「そんなことねーよ」
否定しながらも、桜場の表情はうれしそうに見えた
そして、桜場はゆっくりと話始める
「俺と皇先輩が出会ったのは、ここなんだ」
立ち止まった場所は、公園入口横の塀の前。堀は私の腰ぐらいだから、安易に腰掛けられる高さだった
「オレが中2の時、未由が野犬に襲われた所を助けてくれたのが皇先輩。この塀に腰掛けて、泣きじゃくる未由を膝に抱えていたんだ」
桜場は塀に飛び乗ると、バランスを取りながら歩き始めた
「俺さ、3年にチャラチャラした先輩が2人いるって聞いてて、皇先輩には良いイメージ持ってなかったんだよな。だから、未由を抱いてる姿を見た時、すぐに皇先輩だって分からなかった」
そして、『よっ』と声を上げると塀から飛び降り私を見た
「やっぱり、サバと言えば味噌煮に限るよな。うん」
桜場は私に目線を合わせず、一人で言って、一人で納得していた
「ねぇ、何で皇兄の好物知ってるの?」
「・・・」
「桜場ってば!」
「あー。うるさい、そうだよ。知ってたよ。ほら、出来たから2分経ったら水から上げろよな」
サバの入ったボールを渡された
一匹目の分はとっくに2分を過ぎてるから水から上げて、氷のビニール袋に入れて・・と
「ほら、生姜も」
冷蔵庫から取り出してくれた生姜を渡される
「残りのサバを出したら、帰るぞ」
桜庭はさっさと自分だけ裏口から出て行った
もう、私の質問に一つも答えてくれてないじゃない
急いで桜場の後を追うため、勝手口で靴を履いていると、赤いランドセルを背負った女の子とぶつかって二人、しりもちをついた
「ごめんなさい」
同時に謝ると、立ち上がり顔を見合わせた
髪を二つに分けて、頬はイチゴみたいに真っ赤で艶があるあどけなさが残る女の子。悲しいかな、背丈は私と3cmぐらいしか違わないよ
「『にわ』何やってんだ? 未由(みゆ)帰ってたのか」
「ただいま。お兄ちゃんの彼女?」
未由ちゃんは好奇心の眼差しで私を見た
「ばーか。さっさと家に入って宿題でもしろ」
「はーい。じゃぁね。お兄ちゃんの彼女さん」
未由ちゃんはペロっと舌を出すと、家の中に駆け込んでいった
「カワイイね」
「そんなことねーよ」
否定しながらも、桜場の表情はうれしそうに見えた
そして、桜場はゆっくりと話始める
「俺と皇先輩が出会ったのは、ここなんだ」
立ち止まった場所は、公園入口横の塀の前。堀は私の腰ぐらいだから、安易に腰掛けられる高さだった
「オレが中2の時、未由が野犬に襲われた所を助けてくれたのが皇先輩。この塀に腰掛けて、泣きじゃくる未由を膝に抱えていたんだ」
桜場は塀に飛び乗ると、バランスを取りながら歩き始めた
「俺さ、3年にチャラチャラした先輩が2人いるって聞いてて、皇先輩には良いイメージ持ってなかったんだよな。だから、未由を抱いてる姿を見た時、すぐに皇先輩だって分からなかった」
そして、『よっ』と声を上げると塀から飛び降り私を見た