神様、僕に妹を下さい
Act.082 サイド皇紀(こうき)
「・・き、皇紀ってば」
「あ・・あぁ」
ビクッと肩が痙攣し、呼ばれるがままに立上がった
ヨロヨロと足元がふら付き、壁に手をついた
「おいっ、大丈夫かよ」
五十嵐が駆け寄ってオレの腕を取った
「悪い、ちょっと考え事してた。授業のチャイム鳴ったか?」
少しの間、記憶がないな。眠っていたか
朝、学校に着くと屋上にやってきてそのまま・・・
「そんな酷い顔して、何が考え事だよ。ほら」
五十嵐はオレに毛布を放り投げた
「先生には気分が悪いって言っとくから、二時間ぐらい眠っとけよ」
「いいって」
「だーめ。医者の息子である俺の診断。それに女の子達にカッコ悪いこーちゃん見せたくないもん」
「バカヤロ、その呼び方はやめろ・・って言って」
・・るだろ
あぁ・・眠い
眠るのは嫌いじゃない
夢の中だけ、オレは晶の兄を演じなくてもすむから・・
夢の中の晶はいつもキッチンに立って、料理をしながらオレの帰りを待っている
『ただいま』玄関から物音を立てずに晶の背後まで忍び寄り、耳元でそっと呟く
『キャッ』料理に夢中になってる晶は本当に驚いて、オタマを持ったまま振り返る
『もう。驚かさないで』プクッと膨れっ面から笑顔に変わる瞬間がオレは好き
晶の腰を両腕で抱きしめて、容の良いおでこにそっとキスする
『///』晶は真っ赤になってオレの胸の中に顔をうずめた
『好きだよ晶。晶はオレの事好き?』
『・・き』
コクンとうなずきながら晶は返事をした
『聞こえない。誰を好きなの?』
晶の口から、オレの名前で好きだと聞きたい
『・・好き・・皇兄が好き』
皇兄・・ね。オレは肩を落とす
『皇紀って呼べよ』
『えっ・・あ・・う~』
晶はしばらく唸っていた。そうだよな、10年以上『皇兄』と呼んでいるのだから、晶の中では簡単ではない
『皇紀って呼んでほしいな』
今度は甘えた声でお願いしてみる
『こ・こう・・きが好き』
途切れ途切れで晶は答えた。晶にとってこれが限界のライン・・か
『ありがと晶。無理させたな』
腰にまわした手を緩め、晶の頭を撫でると晶はゆっくり顔を上げた
『私、皇紀が好きだよ』
夢・・なんだと頭の片隅でわかっている。・・だが覚めないで
「あ・・あぁ」
ビクッと肩が痙攣し、呼ばれるがままに立上がった
ヨロヨロと足元がふら付き、壁に手をついた
「おいっ、大丈夫かよ」
五十嵐が駆け寄ってオレの腕を取った
「悪い、ちょっと考え事してた。授業のチャイム鳴ったか?」
少しの間、記憶がないな。眠っていたか
朝、学校に着くと屋上にやってきてそのまま・・・
「そんな酷い顔して、何が考え事だよ。ほら」
五十嵐はオレに毛布を放り投げた
「先生には気分が悪いって言っとくから、二時間ぐらい眠っとけよ」
「いいって」
「だーめ。医者の息子である俺の診断。それに女の子達にカッコ悪いこーちゃん見せたくないもん」
「バカヤロ、その呼び方はやめろ・・って言って」
・・るだろ
あぁ・・眠い
眠るのは嫌いじゃない
夢の中だけ、オレは晶の兄を演じなくてもすむから・・
夢の中の晶はいつもキッチンに立って、料理をしながらオレの帰りを待っている
『ただいま』玄関から物音を立てずに晶の背後まで忍び寄り、耳元でそっと呟く
『キャッ』料理に夢中になってる晶は本当に驚いて、オタマを持ったまま振り返る
『もう。驚かさないで』プクッと膨れっ面から笑顔に変わる瞬間がオレは好き
晶の腰を両腕で抱きしめて、容の良いおでこにそっとキスする
『///』晶は真っ赤になってオレの胸の中に顔をうずめた
『好きだよ晶。晶はオレの事好き?』
『・・き』
コクンとうなずきながら晶は返事をした
『聞こえない。誰を好きなの?』
晶の口から、オレの名前で好きだと聞きたい
『・・好き・・皇兄が好き』
皇兄・・ね。オレは肩を落とす
『皇紀って呼べよ』
『えっ・・あ・・う~』
晶はしばらく唸っていた。そうだよな、10年以上『皇兄』と呼んでいるのだから、晶の中では簡単ではない
『皇紀って呼んでほしいな』
今度は甘えた声でお願いしてみる
『こ・こう・・きが好き』
途切れ途切れで晶は答えた。晶にとってこれが限界のライン・・か
『ありがと晶。無理させたな』
腰にまわした手を緩め、晶の頭を撫でると晶はゆっくり顔を上げた
『私、皇紀が好きだよ』
夢・・なんだと頭の片隅でわかっている。・・だが覚めないで