神様、僕に妹を下さい
Act.088 サイド晶(あきら)
「だから先生、この女が急に殴ってきたんだってば」
私の方を指差し、沢村双葉が椅子から立上がった
「この顔見てよ。殴られた跡!」
彼女は興奮して、私が殴った顔を先生に向けている
その間私は黙ったまま、胸の中にある興奮が徐々に治まっているのを感じていた
10分前、沢村双葉を囲んでいた先輩の1人が、彼女に殴りかかったのを見て
『私に殴らせて』
と横から入り、思いっきり彼女の左頬を殴り飛ばした
それからは、取っ組み合いのケンカになり、騒ぎを聞きつけた先生に取り押さえられ、生徒指導室につれてこられた
何回殴ったのか覚えていないし、殴られたのかもわからない
冷静に話し合いで真相を確かめる前に、先に手が出ていた
自分の中に、こんな凶暴な部分があったなんて正直驚いている
「さっきから黙っているが、そっちの1年は何か言いたい事はないのか!?」
「・・・」
「何とか言ったらどうだ!!」
私の目の前で竹刀が振り上げられ、床に叩きつけられた
「言う事はありません」
「では、自分が悪いと認めるんだな」
「悪いとは思っていません」
殴ったのは悪い事かもしれない。でも、嘘をついているこの女が悪い
「ちょっと、じゃぁ私が悪いって言うの!謝りなさいよ。顔、こんなに腫れているのよ」
「あなたが嘘をつくのが悪いんでしょ」
顔が腫れているのは、お互い様だ
「2人とも、反省の態度が見られないなら、自宅に連絡を入れるからな。名前は?!」
うげっ。家に連絡って・・それは・・まずい
皇兄にケンカをしたなんて知られたら、余計な心配をかけちゃう
でも、この女には謝りたくない。けど・・謝ってこの場が治まるなら・・
「・・先生、私がわるい・・」
「双葉!大丈夫なんか?」
私の声がかき消され、関西弁?の男の人が沢村双葉に駆け寄った
背は皇兄と同じくらい、後ろの襟首にかかってある髪をひとつにくくっている。ネクタイが外されているから学年はわからないけど・・どこかで見た事があった
「オニイチャン」
沢村双葉の声のトーンが変わり、目を潤ませ始めた
「また、派手にやったな。顔に痣できとるやん。どいつや、お前をこんな目にしたんわ」
沢村(兄)は睨むように、部屋をゆっくり見回した
私の方を指差し、沢村双葉が椅子から立上がった
「この顔見てよ。殴られた跡!」
彼女は興奮して、私が殴った顔を先生に向けている
その間私は黙ったまま、胸の中にある興奮が徐々に治まっているのを感じていた
10分前、沢村双葉を囲んでいた先輩の1人が、彼女に殴りかかったのを見て
『私に殴らせて』
と横から入り、思いっきり彼女の左頬を殴り飛ばした
それからは、取っ組み合いのケンカになり、騒ぎを聞きつけた先生に取り押さえられ、生徒指導室につれてこられた
何回殴ったのか覚えていないし、殴られたのかもわからない
冷静に話し合いで真相を確かめる前に、先に手が出ていた
自分の中に、こんな凶暴な部分があったなんて正直驚いている
「さっきから黙っているが、そっちの1年は何か言いたい事はないのか!?」
「・・・」
「何とか言ったらどうだ!!」
私の目の前で竹刀が振り上げられ、床に叩きつけられた
「言う事はありません」
「では、自分が悪いと認めるんだな」
「悪いとは思っていません」
殴ったのは悪い事かもしれない。でも、嘘をついているこの女が悪い
「ちょっと、じゃぁ私が悪いって言うの!謝りなさいよ。顔、こんなに腫れているのよ」
「あなたが嘘をつくのが悪いんでしょ」
顔が腫れているのは、お互い様だ
「2人とも、反省の態度が見られないなら、自宅に連絡を入れるからな。名前は?!」
うげっ。家に連絡って・・それは・・まずい
皇兄にケンカをしたなんて知られたら、余計な心配をかけちゃう
でも、この女には謝りたくない。けど・・謝ってこの場が治まるなら・・
「・・先生、私がわるい・・」
「双葉!大丈夫なんか?」
私の声がかき消され、関西弁?の男の人が沢村双葉に駆け寄った
背は皇兄と同じくらい、後ろの襟首にかかってある髪をひとつにくくっている。ネクタイが外されているから学年はわからないけど・・どこかで見た事があった
「オニイチャン」
沢村双葉の声のトーンが変わり、目を潤ませ始めた
「また、派手にやったな。顔に痣できとるやん。どいつや、お前をこんな目にしたんわ」
沢村(兄)は睨むように、部屋をゆっくり見回した