神様、僕に妹を下さい
Act.089 サイド晶(あきら)
「双葉、ケンカの相手はもう帰ったんか?」
沢村(兄)の目線は、立ち止まることなく私の頭上を通り過ぎる
「何言ってるの!オニイチャン。そこにいるでしょうが!」
両手を振り上げ、彼女は叫んだ
ようやく私の存在に気付いたのか、頭上の視線が下がり、沢村(兄)は、ゆっくりと私を眺めた
「あんたが・・やったんか?」
彼は私の頬に触れた
「痛っ」
「すまん。ちょっと立ってくれるか?」
「?」
言われるままに椅子から立上がる
「あの・・何か?」
『家の妹になにするんや』とか言って叩かれるのだろうか?
「めっちゃ小さいなぁ。それにあんたの方が酷い痣やないか」
「はい?」
なんか予想外の展開
「双葉、俺がいつも言ってるやろ。自分より小さい子はいじめるなって。どう考えてもこの子の方が歩がわるいだろうが」
「何よ、オニイチャンのバカ!」
彼女は鞄を沢村(兄)に投げつけ、私を睨むと部屋から出て行った
あ・・えっと・・・・
とりあえず、沢村(兄)には、叩かれずに済んだ・・の??かな?
バシッ、バシッ 竹刀が2度床に叩かれた
忘れてた。生徒指導の先生がいたんだった
「沢村、あれはお前の妹か。お前に似て生意気だな」
先生の目は私ではなく、沢村(兄)の方に向けられていた
「これは、鎌田センセ。妹が迷惑かけてからに、先生の手を煩わせてしもて、すんませんなぁ」
穏やかな顔から、一転して鋭い表情で彼は答える
「部の予算の訂正は出来ているんだろうな」
部の予算?今は私のケンカの話では・・?
「近々、返事できると思いますわ。今、内のエースがまとめあげてるし、楽しみに待っといて」
なんだろう?この2人の間に火花が見える
「そこの1年、お前はまだ帰るな」
先生は今度は私に話を振ってきた
「先生・・家に連絡するのだけは止めてください」
家族調査票を見たら、皇兄の妹だってわかってしまう。そしたら・・
「だったら、ケンカの原因は?」
「それ・・は」
「妾の子や。こいつ俺のおやじの妾の子なんや」
「えっ??」
沢村(兄)の発言に私と先生は目を丸くした
「センセ、本妻と妾の子が鉢合わせたら、必然的にケンカの原因もわかるやろ。察してや」
沢村(兄)は私の手を握ると、ウインクした
「あ・・」
「この子は、生徒会長の名にかけて、オレが責任もつ。ほな行くで」
腕を引っ張られ、生徒指導室を後にした
この人が、生徒会長・・
沢村(兄)の目線は、立ち止まることなく私の頭上を通り過ぎる
「何言ってるの!オニイチャン。そこにいるでしょうが!」
両手を振り上げ、彼女は叫んだ
ようやく私の存在に気付いたのか、頭上の視線が下がり、沢村(兄)は、ゆっくりと私を眺めた
「あんたが・・やったんか?」
彼は私の頬に触れた
「痛っ」
「すまん。ちょっと立ってくれるか?」
「?」
言われるままに椅子から立上がる
「あの・・何か?」
『家の妹になにするんや』とか言って叩かれるのだろうか?
「めっちゃ小さいなぁ。それにあんたの方が酷い痣やないか」
「はい?」
なんか予想外の展開
「双葉、俺がいつも言ってるやろ。自分より小さい子はいじめるなって。どう考えてもこの子の方が歩がわるいだろうが」
「何よ、オニイチャンのバカ!」
彼女は鞄を沢村(兄)に投げつけ、私を睨むと部屋から出て行った
あ・・えっと・・・・
とりあえず、沢村(兄)には、叩かれずに済んだ・・の??かな?
バシッ、バシッ 竹刀が2度床に叩かれた
忘れてた。生徒指導の先生がいたんだった
「沢村、あれはお前の妹か。お前に似て生意気だな」
先生の目は私ではなく、沢村(兄)の方に向けられていた
「これは、鎌田センセ。妹が迷惑かけてからに、先生の手を煩わせてしもて、すんませんなぁ」
穏やかな顔から、一転して鋭い表情で彼は答える
「部の予算の訂正は出来ているんだろうな」
部の予算?今は私のケンカの話では・・?
「近々、返事できると思いますわ。今、内のエースがまとめあげてるし、楽しみに待っといて」
なんだろう?この2人の間に火花が見える
「そこの1年、お前はまだ帰るな」
先生は今度は私に話を振ってきた
「先生・・家に連絡するのだけは止めてください」
家族調査票を見たら、皇兄の妹だってわかってしまう。そしたら・・
「だったら、ケンカの原因は?」
「それ・・は」
「妾の子や。こいつ俺のおやじの妾の子なんや」
「えっ??」
沢村(兄)の発言に私と先生は目を丸くした
「センセ、本妻と妾の子が鉢合わせたら、必然的にケンカの原因もわかるやろ。察してや」
沢村(兄)は私の手を握ると、ウインクした
「あ・・」
「この子は、生徒会長の名にかけて、オレが責任もつ。ほな行くで」
腕を引っ張られ、生徒指導室を後にした
この人が、生徒会長・・