神様、僕に妹を下さい
Act.090 サイド皇紀(こうき)
沢村会長がいないとどうしてこう静かなんだ
おかげで仕事の進み具合が順調だった
「さて、コピーしてくるか」
書類をまとめ、立上がると扉がものすごい勢いで開けられた
「絶対許さない!!あの女!」
「出た・・」
通常は『来た・・』になるはずだが、出たと言ったほうが表的には間違いないだろう
沢村会長の妹双葉は、どうやら怒りが頂点に達しているらしい
オレの事も気付かないらしく、頭をかきむしり、ソファを蹴飛ばした
いつものしおらしさが微塵も感じられない。これが本来の彼女の姿なんだろうな
「あのさその元気、他の事に向けたらどうだ?」
「こっ、皇紀先輩!」
ようやくオレに気付いたらしく、声が裏返っている。そして急いで自分の容姿を整え始めた
もう十分、正体を見たから取り繕っても今更遅いって・・・
それにしても、派手にやったな
顔の頬から顎にかけて2ヶ所、両膝と脛4ヶ所、打撲の痣を付けている
本人がこれほど酷いのだから、相手もただでは済んでいないだろうな
性格上、倍にして返しているに違いない
「皇紀先輩、あまり見ないで下さい」
「いや、すごい痣だなぁと思って、冷やした方がいいだろ?」
それにしても、妹を迎えにいったはずの会長の姿がない
「会長は?会わなかったのか?」
「あの男、あの女に寝返ったの!思い出しただけでもイライラする」
「は?」
「皇紀先輩なら、妹をこんな目に遭わせた女の肩を普通持ちますか?」
もし、晶の白い肌に痣を付けた相手が女だろうが、オレだったら許さない
「普通は持たないだろうな」
傷の具合によっては、極端な話、殺すかもしれない
「あの女、オニイチャンの好みのツボをついているのよ。小さくて、大きな瞳でふわふわの茶髪の容姿が、昔飼っていたハムスターの『もも』にそっくりだから」
「はぁ・・」
あの会長がハムスターを飼っていた事にも驚くが、ハムスターに似た女っていったい・・・
「それで、会長はその女と一緒な訳だ」
「そうです」
なぜか、こいつが気の毒になってきた
「そこに座れよ」
ソファに指差し、彼女を座らせる
「手当てしてやる」
昨夜も晶を手当てしたなと考えつつ、目の前の相手の手当てを始めた
おかげで仕事の進み具合が順調だった
「さて、コピーしてくるか」
書類をまとめ、立上がると扉がものすごい勢いで開けられた
「絶対許さない!!あの女!」
「出た・・」
通常は『来た・・』になるはずだが、出たと言ったほうが表的には間違いないだろう
沢村会長の妹双葉は、どうやら怒りが頂点に達しているらしい
オレの事も気付かないらしく、頭をかきむしり、ソファを蹴飛ばした
いつものしおらしさが微塵も感じられない。これが本来の彼女の姿なんだろうな
「あのさその元気、他の事に向けたらどうだ?」
「こっ、皇紀先輩!」
ようやくオレに気付いたらしく、声が裏返っている。そして急いで自分の容姿を整え始めた
もう十分、正体を見たから取り繕っても今更遅いって・・・
それにしても、派手にやったな
顔の頬から顎にかけて2ヶ所、両膝と脛4ヶ所、打撲の痣を付けている
本人がこれほど酷いのだから、相手もただでは済んでいないだろうな
性格上、倍にして返しているに違いない
「皇紀先輩、あまり見ないで下さい」
「いや、すごい痣だなぁと思って、冷やした方がいいだろ?」
それにしても、妹を迎えにいったはずの会長の姿がない
「会長は?会わなかったのか?」
「あの男、あの女に寝返ったの!思い出しただけでもイライラする」
「は?」
「皇紀先輩なら、妹をこんな目に遭わせた女の肩を普通持ちますか?」
もし、晶の白い肌に痣を付けた相手が女だろうが、オレだったら許さない
「普通は持たないだろうな」
傷の具合によっては、極端な話、殺すかもしれない
「あの女、オニイチャンの好みのツボをついているのよ。小さくて、大きな瞳でふわふわの茶髪の容姿が、昔飼っていたハムスターの『もも』にそっくりだから」
「はぁ・・」
あの会長がハムスターを飼っていた事にも驚くが、ハムスターに似た女っていったい・・・
「それで、会長はその女と一緒な訳だ」
「そうです」
なぜか、こいつが気の毒になってきた
「そこに座れよ」
ソファに指差し、彼女を座らせる
「手当てしてやる」
昨夜も晶を手当てしたなと考えつつ、目の前の相手の手当てを始めた